1980s 洋楽★創作物語

1980年代ロンドンが舞台のバンドデビュー物語。UK中心の80s 楽曲 (YouTubeリスト参照) が登場! 20年振りに描くイラストも80年代風・・・( ˘ω˘ )

No.4-026 Lost The Way

feat. Deniece Williams

甘くキスを交わす2人に
いつの間に集まっていたのか
ギャラリーが〈ヒューヒュー♩〉と
口笛を鳴らし、拍手を送っていた。

誰かが

『男の子に声援を送ってあげて!』

[Deniece Williams『Let’s Hear It For The Boy』Released:February 14, 1984

 

と大きな声を出すと
口々に2人に応援の声がかかり
一斉に歌い出したんだ!

そういえば、このホテル
アメリカ人観光客の御用達だっけ。
そりゃ『フットルース』で
盛り上がるわけだ。

その様子に背中を押されたのか
ルイスは恥じらいながら
トニィの耳元で囁いた。

「今日こそ、部屋まで送ってくれるわよね?」

彼女にここまで言われちゃ
もう逃げられないよ、トニィ⁉︎

僕とフレッドとヤスは
真っ赤になっているトニィの背中を
順番に(思いっ切り!)叩いて
その場を後にした。

 

まあ男って、好きな子の前だと
格好つけたくなるし
自分が理想とする男で有りたいと
思っちゃうんだよね。
女の子からすれば、バカバカしく
見えるかも知れないけど。

でもトニィとルイスは、お互いに
また理解を深められたんだ。
せっかく仲直りしたのに
このままルイスが帰っちゃうのは
もったいないよね?


そこで、僕に名案が浮かんだ。

◇ ◇ ◇

「なんで! どういうこと⁉︎」

翌日、想像通り驚くヤスの顔が
そこにあった。

「まあ、いらっしゃい。どうぞ中に入って。恭章、突っ立ってないで、荷物をゲストルームまで運んであげて?」

ユミコの爽やかな笑顔に

「ありがとうございます」
とルイスも、安堵の笑顔を見せた。

「どうしてこうなるんだよ、ジェム!」

僕はルイスの
パステルピンクのスーツケースを
ヤスに手渡しながら答えた。

「事情を話したら、ユミコが快く引き受けてくれたんだよ」

始めから読む(No.4-001)

 

 1984年のアメリカ映画『フットルース』のサウンドトラックは、知らない曲は無いくらいヒット曲の目白押し! UK縛りならウェールズ出身、ボニー・タイラーの『ヒーロー』といきたいところだけど、内容的にデニース・ウィリアムスの『レッツ・ヒア・イット・フォー・ザ・ボーイ』となりました。
 前回ルイスが「あなたはロミオじゃないけど云々」と言ってたのは、この曲から拝借。アメリカ娘のルイスには、キュートなガールズPOPがピッタリ(´∀`)
Music Video
Deniece Williams - Let’s Hear It For The Boy
 

 

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