feat. Deniece Williams
甘くキスを交わす2人に
いつの間に集まっていたのか
ギャラリーが〈ヒューヒュー♩〉と
口笛を鳴らし、拍手を送っていた。
誰かが
『男の子に声援を送ってあげて!』
[Deniece Williams『Let’s Hear It For The Boy』Released:February 14, 1984]
と大きな声を出すと
口々に2人に応援の声がかかり
一斉に歌い出したんだ!
そういえば、このホテル
アメリカ人観光客の御用達だっけ。
そりゃ『フットルース』で
盛り上がるわけだ。
その様子に背中を押されたのか
ルイスは恥じらいながら
トニィの耳元で囁いた。
「今日こそ、部屋まで送ってくれるわよね?」
彼女にここまで言われちゃ
もう逃げられないよ、トニィ⁉︎
僕とフレッドとヤスは
真っ赤になっているトニィの背中を
順番に(思いっ切り!)叩いて
その場を後にした。
まあ男って、好きな子の前だと
格好つけたくなるし
自分が理想とする男で有りたいと
思っちゃうんだよね。
女の子からすれば、バカバカしく
見えるかも知れないけど。
でもトニィとルイスは、お互いに
また理解を深められたんだ。
せっかく仲直りしたのに
このままルイスが帰っちゃうのは
もったいないよね?
そこで、僕に名案が浮かんだ。
◇ ◇ ◇
「なんで! どういうこと⁉︎」
翌日、想像通り驚くヤスの顔が
そこにあった。
「まあ、いらっしゃい。どうぞ中に入って。恭章、突っ立ってないで、荷物をゲストルームまで運んであげて?」
ユミコの爽やかな笑顔に
「ありがとうございます」
とルイスも、安堵の笑顔を見せた。
「どうしてこうなるんだよ、ジェム!」
僕はルイスの
パステルピンクのスーツケースを
ヤスに手渡しながら答えた。
「事情を話したら、ユミコが快く引き受けてくれたんだよ」
1984年のアメリカ映画『フットルース』のサウンドトラックは、知らない曲は無いくらいヒット曲の目白押し! UK縛りならウェールズ出身、ボニー・タイラーの『ヒーロー』といきたいところだけど、内容的にデニース・ウィリアムスの『レッツ・ヒア・イット・フォー・ザ・ボーイ』となりました。
前回ルイスが「あなたはロミオじゃないけど云々」と言ってたのは、この曲から拝借。アメリカ娘のルイスには、キュートなガールズPOPがピッタリ(´∀`)
前回ルイスが「あなたはロミオじゃないけど云々」と言ってたのは、この曲から拝借。アメリカ娘のルイスには、キュートなガールズPOPがピッタリ(´∀`)
Deniece Williams - Let’s Hear It For The Boy
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