1980s 洋楽★創作物語

1980年代ロンドンが舞台のバンドデビュー物語。UK中心の80s 楽曲 (YouTubeリスト参照) が登場! 20年振りに描くイラストも80年代風・・・( ˘ω˘ )

No.5-013 Don't Be Scared

feat. Crowded House

そして、久々に5人揃ったバンドは
思い切り演奏を楽しんだ。


――ああ、これ、この音と一体感なんだ、求めていたのは!


メンバー全員が
それを噛み締めていると確信した。
許されるならマークには
本当に早く戻って来て欲しい。

「待ってるよ、マーク」

笑顔を見せる皆んなの姿が
強く胸に残った。

◇ ◇ ◇

マークがウォルターを連れ
カナダへ帰国して数日後、
僕等はスティーブンのオフィスに
集まっていた。

「もちろんジェム、君が無実なのは分かっている。しかし知っての通り今ノーマンレーベルの内情は非常に厳しく、イメージダウンやスキャンダルになる事は極力避けたいと、非常にナーバスな状態だ」

しかもクビにした
プロデューサーのロバートも
ドラッグによる交通事故を
起こしてしまったそうだ。

「どうにも私達がしたことは、彼の自尊心を深く傷つけてしまったようで、残念なことだが……」

ロバートがアメリカで成功したと
言ったのは誰だっけ?
つくづくドラッグの恐ろしさを
実感した。

「私としても君達を、ベストな状態でデビューに持っていきたいんだ。ノーマンレーベルに、決して君達を埋もれさせたりはしないと約束させよう」

「分かりました。一年……ですね?」

覚悟を決めて席を立ち
ティーブンと握手を交わした。

「一年後、成長した僕等を見てください」

 


オフィスの外に出ると
僕は立ち止まって振り返り
改めて頭を下げた。

「本当に、ゴメン――!」

項垂れる僕に、3人は
温かい声をかけてくれた。

「兄ちゃんが悪いんじゃないよ、元気出して!」

「1年なんて、あっという間だ! やらなきゃならないことは山とある。そうだろヤス?」

「ドント・ドリーム・イッツ・オーバー」

ヤスの一言に
僕等は一瞬、顔を見合わせ
そして笑顔で歌いながら
歩き出した。

 

 〜 さあ今 さあ今 それが終わった事だと夢にも思わないで 世界がやってくる時 奴等はくる 僕達の間に壁を作るために

[Crowded House『Don't Dream It's Over』Released:20 October 1986]

 

始めから読む(No.5-001)

 

 クラウデッド・ハウス!\(^o^)/ って英国じゃなくオーストラリアやないかーいと、wiki見て思い出す (汗) でも80年代中半になると、米国のソウルやハードロックが台頭してきて寂しい気持ちになっていたので〝hey now, hey now〟がキャッチーな良質POPs に「待ってました!」と歓喜した記憶がw
 実際この曲がリリースされた1986年は新しいバンドが次々とヒットして、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン終焉の年だとか。最後の花火?(泣)  実感としては1988年までは・・・と思うので、80年代後半の曲もたくさん登場させたいと思ってます!
Music Video
Crowded House - Don't Dream It's Over
 

 

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