feat. Thompson Twins
「ルイス、いつまで居られる? 両親にOKはもらってるよね?」
「来週末ギリギリまで居るつもりよ。トニィに会いに行くって言ったら、パパもママもお姉ちゃん達も喜んで見送ってくれたわ。Ohトニィ! 感動の対面を、やり直しましょう⁉︎ 会いたかったのよ」
と、いきなり抱き付くルイス。
「オレだって会いたかったよ!」
トニィもしっかり抱き返した。
さっきまでの緊迫感は、どこへやら?
突然の甘い空気に面食らってると
「ちょっとあんた達、気を利かせなさいよ⁉︎」
ルイスに睨まれてしまった。
「あ、ごめん、ごめん」
僕等はトニィにウィンク一つ残し、
慌ててフラットを後にした。
〜♫ 今すぐ僕を抱きしめて (愛しい君の腕で抱きしめて) ハートを温めて (冷めて疲れた心を温めて) 僕の側にいて (僕と一緒にいて) さあ、愛を始めよう ♫〜
帰りの車の中で
ラジオから流れるラブソングに
兄弟で大合唱!
「いや〜ルイスにはビックリしたよ? トニィの彼女って、もっと違うタイプをイメージしてたけど」
そう呟きハンドルを握る僕の横で
クスクス笑い出すフレッド。
「でもあの子、なかなかトニィに合ってるじゃない? ちょっとズレてる彼には、あれくらいハッキリした子じゃないとね」
それにしても、いいな〜トニィの奴
あんな一途な彼女がいて。
僕なんか、学校もバイト先も男ばっか。
幼馴染だって男だしね!
あ、でも2年目のオプションで
専攻したばかりのヴォーカル科は
女の子が多めだから
ドライブに誘いたい子に
出会えたらいいなって
ちょっと期待してたりする。
で、彼の方はどうなんだろう?
「なあ、フレッド?」
「――ん?」
「君、彼女いないの?」
咽せるフレッド。
あらら。
「ちょ、ちょっと、急に何言い出すんだよ⁉︎」
その慌てふためく様子を見て
僕はニヤッとなった。
その後ジョーが脱退するとトムとアラナが夫婦になり、文字通りツインズに⁉︎(離婚したけどw)
Thompson Twins - Hold Me Now