1980s 洋楽★創作物語

1980年代ロンドンが舞台のバンドデビュー物語。UK中心の80s 楽曲 (YouTubeリスト参照) が登場! 20年振りに描くイラストも80年代風・・・( ˘ω˘ )

No.4-010 Lost The Way

「どうしたの⁉︎」

慌てたフレッドがバスルームに
顔を出した途端、彼は顔面に
シャワーのミサイル攻撃を受け、
カーテンの影から見知らぬ若い女性が
甲高い声で怒鳴ってきたんだ。

「何よあんた達⁉︎ レディが入浴中にスケベ! チカン! エッチ!」

僕は一瞬(本当に一瞬!)
彼女のヌードを見てしまい
驚いてよろけて倒れちゃって
もう頭の中はクラクラ!
何が何だか分からないうちに
フレッドが引っ張って
起こしてくれた。

びしょ濡れになったフレッドも
しどろもどろだ。

「そ、それは悪かったけど、でも君は誰⁉︎」

「あーもう、分かってるから早く出てって! 私が出られないじゃない!」

僕等は慌ててその場を離れると
濡れた服を着替え
リビングで彼女を待った。

 

程なくして現れた彼女。
肩よりも長い、柔らかなウェーブの
ハニーブロンド。瞳はヘイゼル。
恥ずかしさと気不味さを隠すように
唇をキュッと噛みしめて
小柄だけど、気の強そうな美人だ。
おまけにグラマーだなんて、
僕の視線は泳ぐばかり……

彼女はチラッと僕等を見ると
スーツケースの荷物を片付けながら
躊躇いがちに、口を開いた。

「さっきは、その……悪かったわ。バスルームに入られたのなんて初めてで、気が動転してしまったの」

フレッドがお茶を勧めると
彼女も少し落ち着いたみたいだ。

「私、ルイス・ミッチェル。LAからトニィに会いに来たの。あなたがお兄さんのジェムで、あなたが弟のフレッドよね? 話には聞いてるわ」

「トニィの彼女だって⁉︎」

僕等は驚きの声を上げた。
確かにトニィから、地元LAに
幼馴染の彼女がいるとは聞いていた。

『優しくてキュートで、はにかみ屋なオレの女神』って
トニィがいつも身に付けている
ペンダントを開いて見せてくれたけど
中の写真は小さかったし
髪も写真より伸びたせいかな、
だいぶイメージ違くない?
はにかみ屋⁉︎

「突然来た私も悪いんだけど、トニィがフラットに居ないなんて思わなかったの。フラットメイトのあの女、意地悪な顔して『ゲストの滞在はお断り』って追い出すなんて、ちょっとぐらい待たせてくれてもよくない⁉︎ っていうか、フラットメイトが女だなんて、聞いてないんだけど!」

確かにトニィの同居人は
愛想の無い、年齢不詳のOLだ。
他人に興味は無いようで、トニィ曰く
干渉されなくて気楽なんだとか。

始めから読む(No.4-001)

 

 やっと女の子登場!\(^o^)/ だけど〝ルイス〟って男性名らしく(ルイス・キャロルとかね)ルイーズとかルースに変えようか悩んだけど、やっぱり違和感あってルイスのままにしました。
 彼女は三姉妹の末娘だから両親は男の子への期待を込めて、生まれる前からルイスということにw でも早く結婚してママになりたいルイスは、姉妹の中で一番女子度が高いかも!?