1980s 洋楽★創作物語

1980年代ロンドンが舞台のバンドデビュー物語。UK中心の80s 楽曲 (YouTubeリスト参照) が登場! 20年振りに描くイラストも80年代風・・・( ˘ω˘ )

No.3-022 Believe In

レジュームとは、最近ロンドンで
話題になり始めたロックバンドだ。

ゴシップ誌で読んだことある。今でこそ人気のレジュームだけど、以前サイドトークと契約して酷い目にあったって」

ヤス、ゴシップ誌なんて読むの⁉︎
(ユミコの資料らしい)

ポールが、真剣な表情で
説明してくれた。

「この世界で成功するには、大手のレコード会社と契約した方が断然有利だ。どこぞの落ちぶれたレーベルや出版社と契約しても、売れないだけじゃなく評判まで悪くする。そうなると、レジュームのように成功するのは、難しいんだ」

「やっぱり、いくらオレ達が頑張っても、レコード会社とプロデューサー、それと優秀なマネージャーが必要なんだ」
マークも頷く。

これを聞いて
軽くショックを受けた。
如何に自分の考えが
単純で甘いか知らされたんだ。

確かに
そう簡単に成功したら
世の中スターだらけだよね?
僕は自分の勉強不足を反省し
改めてマークに感心した。

すると背後から、一人の男が現れた。

「サイドトークから声が掛かるとは、大したもんじゃないか。あそこは一応、見る目は持っているからな。お前もその一人だったな、ポール?」

「遅いぞスティーブン」

ポールが彼を紹介してくれた。

「長年の友人、スティーブン・マーシャルだ」

これが後に、僕等のマネージャーとなる
ティーブンとの出会いだった。

「すまないポール。道が混んでいてね、アンコールしか聴けなかったよ」

ティーブンは僕等と
握手を交わしながら続けた。

「サイドトークやポールまでが目を付けたとあっては、君達の音を聴きたかったよ、残念だ」

「では Mr.マーシャル、これを受け取ってください」

始めから読む(No.3-001)