1980s 洋楽★創作物語

1980年代ロンドンが舞台のバンドデビュー物語。UK中心の80s 楽曲 (YouTubeリスト参照) が登場! 20年振りに描くイラストも80年代風・・・( ˘ω˘ )

No.3-030 Believe In

「ポールに相談した結果、この中でオレ達に相応しいと思うのはノーマンレーベルだ。なんたって母体のノーマン・ミュージック・レコードは、アメリカが本社の巨大なレコード会社だしな。ただ、契約金が他所に比べるとイマイチで――」

「君達が私をマネージャーとして雇ってくれたら、ノーマンレーベルの契約金を倍にしてあげよう」

そう言いながら
ドアを開けて入って来たのは
ポールの友人、スティーブンだった。

彼の言葉に、皆んな驚きを
隠せなかった。

 

ティーブンは若い頃
ポールのいた世界的に有名なバンドの
サポート・ミュージシャンとして
ポールと共に世界中を駆け巡り、
音楽業界のことを知り尽くしていた。

ステージから離れた後は
活躍の場をビジネスに移すと
優秀な人材発掘能力を開花させ、
大手SWUレコードを
世界屈指の大企業に成長させたんだ。
その功績は、業界内外からも
広く敬意を払われていた。

そんな凄い人物が
僕等のマネージメントを
買って出てくれるなんて!
もちろん、誰一人反対する者なんて
いないよ。

この頃スティーブンは
これまで培ってきた経験を元に
オンリーワンのアーティストを
育てたいと考えていたんだ。

その意図を、親友のポールは
十分理解していて
自分の前座に可能性のある若手を
次々と上げ、協力していたそうだ。

後から聞いた話だけど
パーティーでの僕等の振る舞いも
ポールのマネージャーが
チェックしていたらしい。
つまりバンドは、ポールのお墨付きで
ティーブンのお眼鏡にかなったんだ!

 

「これで安心して、カナダに帰れる」
と笑顔を見せるマーク。

「Mr. マーシャル!」
僕はスティーブンに歩み寄った。

「契約の際、これだけは譲れない条件が、一つあるんです」

そして、ゆっくりと
視線をマークに移した。

「The Starlight Night のベーシストは、マーク・テイラー以外、有り得ないということ」

始めから読む(No.3-001)

 

 優秀なマネージャー、スティーブンの経歴は、まんま a-ha の初代マネージャーさん。さすがにそれだけでは何なので(汗)ポールが協力した下りを入れました。歳をとるとね、後進を育てたくなるんですよ(´∀`)
 そんな2人の出会いは60年代半ば。スティーブンには60年代前半に流行ったモッズの雰囲気を残し、ポールは70年代サイケデリックの走りをイメージ(楽しい♩)おじさん達だって若い頃があったのです!