1980s 洋楽★創作物語

1980年代ロンドンが舞台のバンドデビュー物語。UK中心の80s 楽曲 (YouTubeリスト参照) が登場! 20年振りに描くイラストも80年代風・・・( ˘ω˘ )

No.3-023 Believe In

すかさずマークは、ポケットから
デモテープを取り出した。
ティーブンも驚いたようだ。

「これは用意がいいな。早速、聴かせてもらうよ」

そして遠くから
彼等に声が掛かると

「じゃあライキーでのライブ、頼んだよ。詳しい話はマネージャーにさせるから」

「ライキーでの君達のプレイ、楽しみにしている」

そう言い残し
去って行く2人を見送ると
皆んな一斉にマークを見た。

「デモテープを用意してくるなんて、凄いな」

「デモテープぐらい、いつも持ち歩いてる。いつチャンスが来るか、分かんねーからな」

相変わらず
事を鮮やかに進めていくマークに
感嘆の溜め息が漏れた。

僕は次の日
『バージンレコードロック年間』と
『メロディーメイカー年間』を購入して
レコード会社や音楽事務所について
ちょっとばかり勉強したんだ。

マークの
「プロになりたい、成功したい」
という思いが
生半可じゃないことを実感すると
マークばかり頼りにしてちゃ
いけないからね。

◇ ◇ ◇

それから僕等は
短いサマーホリデーを取った後、
セント・ブライアンズに集まることに
なってたんだけど
LAから帰国したばかりのトニィから
早目に来るよう催促の電話が入った。

何事かと聞いても

「会ってからのお楽しみ♩」

とだけ告げたトニィの声は
妙に弾んでいた。

 

当日、セント・ブライアンズには
トニィ、僕、フレッド、ヤスが
顔を揃えた。
一人足りなくない?

「いいの、いいの」
トニィは周りの様子をうかがうと
手招きして僕等を集める。

そして、大事そうに抱えていた袋から
中身を一気に取り出した。

「ジャジャーン! 見てくれ、このアルバム!」

皆んなで輪になって
そのアルバムのジャケットを
眺めてみると――

始めから読む(No.3-001)

 

 80年代はハードロックやヘヴィメタルの全盛期でもありますね! 特に日本で「LAメタル」と呼ばれたバンドは、曲は知らなくてもバンド名は分かるくらい、アイドル的人気もありました(ちなみにボン・ジョヴィニュージャージー出身なので、LAメタルの括りには入らないそうですよ)。こっち方面は疎いのだけど、この独特のルックスを描くのは、めっちゃ楽しい!(さすがに中指は立てないw)
 さて、トニィがLAから持ち帰ってきた、このアルバムは一体・・・?