1980s 洋楽★創作物語

舞台は1980年代。ロンドンから来日した、新人バンドのVo. ジェムの目線で描く、日本人少年ヤスもメンバーのバンド仲間や家族との成長物語。UKバンドを中心とした、あの頃のあの曲が登場します。時々イメージ・イラストも掲載!

No.3-008 Believe In

「僕、キーボードなら、少しできるけど?」

フレッドが手を挙げた。
えっ⁉︎

「ダッドと住んでた頃に演ってたバンドの、キーボードだった友達に教わって……あんまり上手くないけどね」

照れ臭そうに答えるフレッド。
キーボード? バンド?
そんなこと、初耳だよ!

「それならジェムもバッキングできるし、曲の幅が広がりそうだな!」

前のめりになるマークを見て
ウォルターが嬉しそうに声を掛けた。

「そういえば、この前ジョン達のバンドのオーディションに、アメリカ訛りのドラマーが来てたな。6.2フィートはありそうな長身で、なかなかの男前だった。ジョン達とはスタイルが違ったけど、君達とは上手くいくかもしれない。連絡してみようか?」

「ああ、頼むよ。オレ、オーディション苦手だからさ」

「マークはジーッと人の演奏を聴いてられないからな。ライブじゃないと、直ぐ飽きちまう」

そう笑ってウォルターは

「君達なら客も呼べそうだな。客が入れば、もちろん出演料を払うよ。期待してる」

と大きく頷き、またステージへと
去って行った。


〝出演料〟


僕は俄然、ヤル気になった!

こうして僕等は
バンド名を考えることを宿題にして
セント・ブライアンズを後にした。

◇ ◇ ◇

次の日、僕はヤスに
家に泊まりに来るよう誘った。
ユミコが昨日から仕事でいないと
聞いたからだ。

僕等の方も、ステイシーとミスターが
いないのを知っていた。

ステイシーは、とうにモデルを辞めていて
ミスターの協力で
美容系コンサル会社を経営していた。

ちょうど僕が荒れてた頃
一波乱あったらしく
確かに僕に構ってられる時期じゃ
なかったようだ。
女性社長に同族企業の取締役と
母と義父は、ご立派なもんだよ!

そんな親のいない間に
少年達が集まって、何するかって?

始めから読む(No.3-001)