1980s 洋楽★創作物語

1980年代ロンドンが舞台のバンドデビュー物語。UK中心の80s 楽曲 (YouTubeリスト参照) が登場! 20年振りに描くイラストも80年代風・・・( ˘ω˘ )

No.5-007 Don't Be Scared

feat. The Stranglers

「君達こそ希望の光だ。君達なら世界を手に入れることができると、そう信じている――」

そのままウォルターは
静かな寝息を立てた。

 

僕等はそっと病室を後にすると
ドクターが待ち受けていた。

「彼は警察が保護してきたんだ。失礼だが君達とは、どういう関係だろうか? 家族の方と連絡を取りたいんだが――」

僕は皆んなと視線を合わせると、
躊躇いつつ答えた。

「僕等は、彼のライブハウスでお世話になってました。最近は店に行ってなかったから、彼がこんな状態だなんて知らなかったんです」

「ウォルターがジャンキーだなんて、信じられない!」

「ドラッグに溺れるような人じゃ、ないと思ってた……」

項垂れる僕等に
ドクターは話してくれた。

「彼の場合、日頃の状況はともかく今回の原因は、急性ヘロイン中毒だ」

ジョージが眉をひそめる。

「『ゴールデン・ブラウン』か……あの店に、そんな厄介なものが出回ってたなんて」

[The Stranglers『Golden Brown』Released: 11 January 1982 (UK)]

 



私見だが恐らくもっと高純度で、その扱いに手慣れた何者かに襲われた可能性が高い」

しかしヘロインが最も恐ろしいのは
中毒性が非常に高く、
依存性も早いということだ。
一度その味を知ってしまったら
その激しい禁断症状から
逃れられなくなる――

「彼には気の毒なことだが」

ドクターは残念そうに
説明してくれた。

僕等はドクターに
後でカナダの連絡先を教える
と告げ、病院を後にした。
マークもどんなに
ショックを受けるだろう……

 

「今からセント・ブライアンズに行って、様子を見てくる」

病院を出た先で
そうジョージに伝えると
彼は僕の肩を捉え、首を横に振った。

「やめた方がいい。ウォルターがどういう状況で運ばれたのか、警察がどこまで把握しているのか、分かってないだろう?」

「だからこそ、何も知らないからこそ、知っておきたいんだ」

ウォルターには
あんなに世話になったのに、
このままじゃマークに
何も説明できない。

「僕達3人もいるし、取り敢えず様子を見るだけだから大丈夫だよ。ね、ヤス?」

フレッドの言葉にヤスも頷く。
2人もウォルターの変わり果てた姿に
怒りを覚えているようだ。

ジョージには
トニィから連絡が来たら
ウォルターの件を伝えて欲しいと頼み
彼と別れた。
パパになったジョージに
これ以上、面倒はかけられない。

だから僕が
セント・ブライアンズの現状を
把握しなければ――

始めから読む(No.5-001)

 

 60〜70年代はドラッグにまつわる楽曲がポロポロあるんですけど(ビートルズは有名ですよね)1982年にリリースされたストラングラーズの『ゴールデン・ブラウン』も、黄金色の肌の魅力的な女性に抗えないと言った体で、ヘロイン中毒を暗示してるとか。ノスタルジーハープシコードの音色と不規則なリズムが織りなす幻想的な雰囲気が、どこか哀愁を感じさせる彼らの代表曲となってます・・・が、
 ドラッグ、ダメ、絶対!( ー̀дー́ )!
Music Video
The Stranglers - Golden Brown
 

 

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