1980s 洋楽★創作物語

舞台は1980年代。ロンドンから来日した、新人バンドのVo. ジェムの目線で描く、日本人少年ヤスもメンバーのバンド仲間や家族との成長物語。UKバンドを中心とした、あの頃のあの曲が登場します。時々イメージ・イラストも掲載!

No.3-009 Believe In

僕等は昨夜のステージの余韻が残るまま
バンド名やステージ映えする曲の
アイディアを出し合っていたんだ。
(至って健全でしょ?)

気付けば時計の針は
もうすぐ20時になろうとしていた。

「お腹空いちゃったね? 何か作るよ」

フレッドが立ち上がり、僕とヤスも
手伝おうとキッチンに向かった。

皆んなで作ったサンドイッチを
パクついてると、フレッドの愛犬
ビーグルのティックルが尻尾を振って
おやつを催促してきた。
先住猫のベルは、窓際の定位置で
あくびをしている。

程なくしてドアが開き
ステイシーとミスターが帰って来た。

「え、今日は帰らないはずじゃ……」
僕が軽く舌打ちすると

「予定変更よ。フレッド、ティックルを退けてちょうだい」

あまり犬が好きではないステイシーが
おやつを食べているティックルを見て
眉を潜める。

フレッドがティックルを抱き上げて
ドアを開けると
ヤスと僕も、それに続こうとした。

すると背後から
ステイシーの声が聞こえた。

「2人とも、昨日は遅かったようね? サマータイムだし、まだ日も出ているとはいえ、ジムはともかくフレッド、お前まで――」

ムッとして振り返った僕を
フレッドが、さえぎった。

「ごめんなさい、マム」

ソファの向こうから
ミスターも声を出した。

「まあ男の子だし、たまにはそういう日もあるだろう」

するとフレッドが
僕をチラッと見て口を開いた。

「実は僕達、ロックバンドを結成したんです、ヤスも一緒に。ね、ジェム?」

そんなこと
一々言わなくていいのに!

それを聞いたステイシーは
目を大きく見開いた。

「バンドですって⁉︎ まったく……どうして2人ともアランに似たのかしら」

ほら見ろ
予想通りの反応じゃん。

フレッドは、ミスターの様子を
伺うように目をやった。

「だから今後も、昨日みたいに遅くなることもあるかなって……」

始めから読む(No.3-001)

 

 予告(No.1-003)通りワンコ登場🐾໊ デカすぎず小さすぎず、サッカー好きのフレッドと一緒になって走れる中型犬で……って思い浮かんだのが、スヌーピーのビーグルでした。自分的には豆柴が好みなんですけどね (^^ゞ