1980s 洋楽★創作物語

舞台は1980年代。ロンドンから来日した、新人バンドのVo. ジェムの目線で描く、日本人少年ヤスを含むバンド仲間や家族との成長物語。UKバンドを中心とした、あの頃のあの曲が登場!

No.2-010 Mixd Feelings

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「まあユミコ、うちの子達がいるから大丈夫よ? 安心してちょうだい」

まったく……
外面だけは良いんだから!

ユミコはステイシーの言葉に頷くと
僕に笑顔を向けた。

「本当に、ジェム君お願いします。うちも私とあの子だけで寂しいので、昔のように気軽に来てね?」

ああ、僕はつくづくお人好しなんだ。
そんな風に言われたら
無視するわけに、いかないだろ?

「分かりました、僕に任せてください!」
って胸を張って言ってしまった。

フレッドが、白い目で見ているのは
気付かない振りしておこう……

◇ ◇ ◇

それから3ヶ月
僕は義務教育を終了した。

大学に行くつもりはなかったけど
僕の学校は、18歳までの一貫校だから
そのままシックススフォーム
[第六学年・日本の高校に相当]に進級。
Aレベル[大学入学資格試験]を
目指すよう、ミスターに促された。

具体的な将来のことは
まだ考えてないけど、やっぱり
音楽に関連する道に進みたいので
何かそういったアルバイトをしようと
探し始めた。

すると、どこから聞きつけたのか
ご近所のMs.オコナーから
バイトを紹介されたんだ。

正直、仕事内容は
これじゃない感が強かったけど
まあ、バイト代が良かったし
店長もいい人だったから
目を瞑ることにしたよ。

フレッドの方も
サマーアクティビティ[夏期体験学習]や
フットボール[サッカー]で
忙しいみたいだけど
そこは兄ちゃん権限を利用して(!)
一緒にヤスの家に
顔を出すようにしたんだ。

だけど、当のヤスの反応は
3ヶ月前とまったく同じ。
つまり、僕等に
てんで無関心ってこと。

僕等が話しかけても、徹底無視。

ユミコの顔を立てて
黙ってるんだろうけど
嫌なら嫌っていう感情を
少しは見せてくれてもいいのにさ!

始めから読む(No.2-001)

 

 当時イギリスでは大学進学者は少なくて、義務教育終了後は働きに出るか、職業訓練校(専門学校)に進むのが大半だったとか。90年代に入り専門学校の大学化が進んだそうで、ジェムが進学する音楽専門学校も今は大学になっている、そんなイメージです。