1980s 洋楽★創作物語

舞台は1980年代。ロンドンから来日した、新人バンドのVo. ジェムの目線で描く、日本人少年ヤスもメンバーのバンド仲間や家族との成長物語。UKバンドを中心とした、あの頃のあの曲が登場します。時々イメージ・イラストも掲載!

No.2-020 Mixd Feelings

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彼は一瞬、顔を引きつらせ
思い切り吹き出したんだ。
僕は途端に、恥ずかしくなった。

「――いらっしゃいませ、ヤスアキクン。何が可笑しい⁉︎」

「何ってなんだよ、その格好⁉︎」

ヤスは肩を震わせ
笑ってるよ!

「何って、制服だけど!?」

「まさかジェムのバイト先が、スイーツショップだとは思わなかった」

そう、僕は近所でも割と評判な
スイーツショップの看板BOYなんだ。

蝶ネクタイにブラック・エプロン
自分では結構、気に入ってるんだけど
そんなに可笑しいかな。

「いいから注文は⁉︎ わざわざ僕を、揶揄いに来たんじゃないだろ?」
いつまでも笑ってるヤスを急かした。

「ああ、これから君の家に行くんだけど、母さんが手土産、買って来いって」

フレッドの奴、
僕が此処に居ることを
ユミコに教えたな⁉︎

「でも、ジェムはバイトなんだ……」

ちょっとホッとした表情の彼に
意地悪したくなる。

「暫くバイト休んじゃったからね。今クビになったら、ギターの修理代も出せないよ。シーケンサーも買ったし、スッカラカンなんだ」

僕の台詞に
ヤスの表情が曇る。

「それは……もちろん俺だってカバーする、ちゃんと弁償する」

僕は小さく笑った。

「まったく……かわいくない奴だなぁ。素直にSorry[ごめんなさい]って言えば、それでOKなの!」

そしたらあいつ
なんて言ったと思う?

「――My Bad[悪かったな]」

 

〈――ぷっ!〉

 

僕等は同時に吹き出した。

そのヤスの笑顔を見て
今度こそ僕等は、上手くやっていけるって
確信したんだ。

だけど、それだけじゃ足りない。
言ったよね?

 

〝君と君の音楽を、絶対に諦めない〟って。

 

急がないと、イギリスの冬が
あっという間に来てしまう。
その前に、スターライト・ルームに
行かなくちゃ!

始めから読む(No.2-001)

 

 ずっと後ろ姿とかで誤魔化してきた主人公。少年の可愛い内に、ちゃんと描いてみようと重い腰を上げましたw 彼の目をキチンと描くのは30年振りかも!? デジタルでの描き方がイマイチ分からず四苦八苦(汗)
 PCで見るとデカくてギョッとしちゃうけど、スマホはこのくらいにしないと、線は潰れるわ色は濃縮されちゃうわで……デジタルの世界って難しいですね( ̄▽ ̄;)