1980s 洋楽★創作物語

1980年代ロンドンが舞台のバンドデビュー物語。UK中心の80s 楽曲 (YouTubeリスト参照) が登場! 20年振りに描くイラストも80年代風・・・( ˘ω˘ )

No.4-003 Lost The Way

feat. Eurythmics

それにスティーブンが

「私が米国本社に行っている間に、ファーストアルバムの準備をしておいてくれ」

なんて言うもんだから
遊んでいる暇なんて無かった。
ファーストアルバムだもの
やっぱり最高のモノを作りたいんだ!

 

「おーい、開けてくれ?」

トニィとヤスが
ユミコからの差し入れを持って
部屋に戻って来た。

「やったー! オニギリ、オニギリ♩」

僕がすかさずパクつくと
フレッドも急いで手を伸ばす。

「ずるいよジェム、僕もツナがいい!」

トニィもグリーンティー
すすりながら、オニギリを頬張った。

「いつも悪いねヤス。君の家は、すっかり The Starlight Night 専用のスタジオになってしまって」

「別に……この家は俺と母さんだけだし、俺の部屋も防音にしてあるから丁度いいし。あっ、その〝おかかおにぎり〟は俺のだから」

フレッドが目の前にあった
小さい方の皿を、ヤスに手渡す。

「はい、はい! このオニギリの差し入れも有難いよね。チョップスティックを使わなくても、片手で食べられるし」

皆んな、ユミコが作ってくれる
ジャパニーズ・ファストフードが
大好物なんだ。

「母さん喜んでるよ。まあ元々世話好きだし、俺が友達と一緒なのが嬉しいんだ」

そう言って、僕と目が合ったヤスは
照れくさそうに視線を逸らした。

ヤスは9月から
シックススフォームに進んだけど
こうしたバンド活動をしつつ
勉強も頑張っているらしい。
なんでも近々、教育制度が変わるとか。
若い子は大変だな。

そしてオニギリ3個を
軽く平らげたトニィが
話を切り出した。

「そうそう、皆んなに聞いて欲しいことがあったんだ。セント・ブライアンズに関する、よくない噂なんだけど……」

「噂って?」

「昨日、偶然オックスフォード・ストリートのレコード店で、ジョージとアンに会ったんだ」

ジョージとアンは
セント・ブライアンズで出会った
デュオのカップルだ。

アンは〝アニー・レノックス〟のように
中性的なルックスで、
僕は美少年だと思っていたから
女性だと知った時は驚いたよ。
2人に子供ができたそうで、
今は音楽活動を中断している。

始めから読む(No.4-001)

 

 UK男女のデュオと言えば、ユーリズミックス! そのヴォーカリストのアニーは『スウィート・ドリームス』(1983) で見せたベリーショートにスーツ姿が決まっている、男装の麗人って印象が。なので、この『ゼア・マスト・ビー・アン・エンジェル』(1985) の金髪ロングヘア姿には、ビックリ&うっとり〜 美人はどんな髪型も似合いますね!
 アンとジョージは5章に登場するので、その時には、もう一組の男女デュオをご紹介します٩(。˃ ᵕ ˂ )و♪
Music Video
Eurythmics - There Must Be An Angel (Playing With My Heart)
 

 

その他のアーティストも登場!