1980s 洋楽★創作物語

1980年代ロンドンが舞台のバンドデビュー物語。UK中心の80s 楽曲 (YouTubeリスト参照) が登場! 20年振りに描くイラストも80年代風・・・( ˘ω˘ )

No.6-001 Blue Dreaming

大阪公演の後、バンドは再び
東京に戻ってきた。
今はテレビ局の控え室にいて
出番を待っているところ。

この番組は海外からのアーティストも
多数出演していて、有り難いことに
僕等にもオファーがきたんだ。
ま、演奏は当て振り[口パク]
なんだけどね。

ヘアメイクも整え
もうすぐ出番がくる間、
皆んなそれぞれの形で
寛いでいた。

そこへ、スティーブンがやって来て

「フレッド、プロデューサーの知人が君に面会したいそうだけど、彼を知ってるかい?」

そう訝しげな表情で
後ろにいた男を手招いた。
彼を一目見るなり、フレッドが叫ぶ。

「サミュエル・ヒューストン!」

「覚えていてくれたか、フレデリック・スチュアート!」

嬉しそうにハグする2人。

弟の旧姓呼びに驚いて
見ていた雑誌を床に落とす僕。
マークはコーラを吹き出し
トニィは差し入れのお菓子で
咽ってしまい、
ヤスは何事かとウォークマン
ヘッドフォンを外して
目を丸くした。

そんなメンバーを気にもせず、
フレッドは嬉々としている。

「ビックリしたよサム、まさか君と日本で再会するなんて! しっかし変わらないねぇ?」

「オレの方こそ驚いたよ! お前が The Starlight Night のメンバーだなんて」

フレッドは興奮気味に
彼を紹介してくれた。

「サムは、ダッドと暮らしていた頃の友達なんだ。彼がキーボードを、教えてくれたんだよ」

メンバーと握手を交わすサムに
フレッドは気付いたように尋ねた。

「だけど、なんで日本にいるの? なんでテレビ局に入れるの⁉︎」

「親父が日本勤務になって2年になる。オレも親父と同じ会社で働いてて、親父がここの部長と懇意にしてるから、プロデューサーに会えないか頼んでもらったんだ」

サムは関係者パスを手に掲げ
話を続けた。

「今は妹も、こっちのインターナショナル・スクールに通ってて、家族3人で暮らしてる。あいつが教えてくれなかったら、お前がこんなスターになってたなんて知らなかったよ」

「パティが僕のことを⁉︎」

サムの妹って……確かフレッドの
初恋の相手じゃなかったっけ?

そこにドアがノックされ
スタッフからスタンバイの声が
掛かった。

「じゃあサム、見ててよ? バッチリ決めてくるから!」

部屋を出ようとするフレッドを
サムは慌てて呼び止めた。

あらすじ & メンバー紹介

 

 なんの番組でしょう? 当時、海外アーティストが生放送で出演していた音楽番組といえば「夜のヒットスタジオ」「ミュージックステーション」、収録番組なら「ベストヒットUSA」や、神奈川・千葉の地方局の可能性も・・・?
 なんて妄想して楽しんだお絵描きは次回にして、今回はフレッドとサムの嬉しい再会を。5章が暗かったので6章は明るくスタートです! 物語もいよいよ後半戦、B面 (笑) 突入ってことで引き続き、よろしくお願いします(,,ᴗ ᴗ,,)ペコリ

 

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