1980s 洋楽★創作物語

1980年代ロンドンが舞台のバンドデビュー物語。UK中心の80s 楽曲 (YouTubeリスト参照) が登場! 20年振りに描くイラストも80年代風・・・( ˘ω˘ )

No.6-006 Blue Dreaming

feat. Wham!

そんなウィンク一つ、見つめられると
ドキッとしちゃうよ⁉︎

ステイシーに似てるなんて
(よく言われる)
いつもなら憤慨するところだけど
僕はこの、笑顔の素敵な義妹に
すっかり魅了されてしまったみたいだ。


ケイトは軽く頭を下げた。

「ブライトンの家には、ここの電話番号を留守録に入れておいたから、そのうちアシュリーから連絡がくると思うの。そんなわけで、ちょっとの間お世話になります」

そこへ電話の音が。
さっそくアシュリーって奴からか?
と受話器を取ると、ステイシーだった。

「ケイト着いたのね? じゃあ、そういう事だから、あと頼んだわよ。私はこのままパリに行くから、まだ帰れないから」

ハイハイ、と電話を切ろうとすると

「ちょっとジム! まさかとは思うけど、ケイトに手出すんじゃないわよ⁉︎ フレッドは信用できるけど、あんたは――」

〈プツ!〉

素早く電話を切ってやった。
失敬だな、僕は紳士だ!

「どうかしたの、ジム?」

洗い物をしてくれてるケイトが
こっちを覗き込む。

「なんでもないよ」

そう誤魔化して、続けた。

「ねえケイト、僕のことは〝ジェム〟って呼んで?」

彼女は笑顔で頷いた。

 

◇ ◇ ◇

 

 〜 出かける前に起こしてよ 僕をヨーヨーみたいに、ぶら下げたままにしないで 出かける前に起こしてよ 君が最高にハイな時を見逃したくないんだ

Wham!『Wake Me Up Before You Go-Go』Released:14 May 1984 (UK)]

 

 

なんか遠くから、ご機嫌な
ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ
の可愛い歌声が聴こえてきた。
……あれ?
だんだん近付いて来てる⁉︎

「グッモーニング! 早く起きてジェム、朝食が冷めちゃうぞー」

ケイトの声に、飛び起きた!

「うそだろ、まだ8時じゃん⁉︎」

ベッドの上で、ぼーっとしている
僕の部屋に、ケイトが入って来た。
彼女の足元にはティックルが
まとわりついてて
もう彼女に慣れたみたいだ。

「ほら、早く着替えて? 今日もとっても良い天気♩ 貴重な夏の晴れ間を満喫しないなんて、もったいない!」

カーテンが勢いよく開く。
ま、眩しい!

「お寝坊さん、もうとっくに8時過ぎてるわよ?」

クスクス笑う彼女の笑顔が
朝の光をまとい、眩しすぎて
よく見えない。

「おはよう――」

目を擦る僕の頬に向けて
ケイトが朝のキスをした。
ふわっと何だか甘い香りがして
また夢見心地になるよ……

「さーて、フレッドの方も起こしに行きますか!」

「待って!」

瞬時に目が覚め
慌てて彼女の腕を掴む。

「フレッドは、まだ寝かせてあげて? あいつ疲れてるからさ」

彼は昨日、女の子達の度重なる誘いを
完全に断ることができたと、
「女の子って、なんであんなに話が通じないんだろう」
そうグッタリして
夜も遅くに帰ってきたんだ。

始めから読む(No.6-001)

 

 ワム!登場\(^o^)/ 楽曲担当のジョージと演出担当アンドリューの小学校同級生ユニットは、1982年に若干19歳でデビューし1986年23歳で解散という電光石火で、次々とヒット曲を連発!
 邦題でも楽しさ伝わる『ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ』、ジョージ名義の『ケアレス・ウィスパー』(1984)、CMでも流れた『フリーダム』(1985)、そして『ラスト・クリスマス』(1984) はクリスマスの超定番ソングに!
Music Video
Wham! - Wake Me Up Before You Go-Go
 もうジョージはいないし、彼らこそ「第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン」のレジェンド――そんな気がします (胸熱)
 

 

その他のアーティストも登場!