1980s 洋楽★創作物語

1980年代ロンドンが舞台のバンドデビュー物語。UK中心の80s 楽曲 (YouTubeリスト参照) が登場! 20年振りに描くイラストも80年代風・・・( ˘ω˘ )

No.3-025 Believe In

「うわっ、何だよ⁉︎」
驚き慌てるマーク。

トニィがマークの背中から
両腕を押さえると
僕は彼のTシャツの左側の袖を
勢いよく肩まで捲った。

「タトゥーあった!」
歓声を上げるメンバー。

マークの左腕には、彼の大好きな
ダークヒーローのシンボル、
コウモリが描かれていたんだ。

ヤスが隠し持っていたアルバムを
マークの目の前に差し出すと
彼は両手で大きく頭を抱えた。

「おーい勘弁してくれよー! トニィ、お前だな? コイツがLA出身だって聞いた時から、いつかこんな日が来るとは思ってたんだ。えーい、コイツめ、コイツめっ!」

マークがトニィを小突いて
皆んな大爆笑!
そんな和やかな雰囲気の中
重々しい表情のウォルターがやって来た。

「マーク、ちょっと……」

「なんだいウォルター?」

次の瞬間
マークの表情が変わった。

「スーザン!」

ウォルターの後ろから
大柄の若い女性が、険しい表情で
こっちを見ていた。
マークはその女性を連れ出し
スタッフ・ルームへ向かうと、
残された僕等にウォルターは
神妙な面もちで教えてくれた。

「スーザンはマークの姉さんだ。マークの親父さんが倒れたらしい」

◇ ◇ ◇

暫くしてマークが戻ってくると
皆んな彼の周りに集まった。

マークは煙草に火をつけ
ゆっくり煙を吐き、話し出した。

「親父が脳卒中で倒れた。命は助かって今、入院している。ただ……」
彼は一呼吸おいて続けた。

「ただマヒが残った。一生、車椅子らしい」

一瞬の静寂の後
フレッドが口を開いた。

「じゃあ、直ぐお見舞いに行かなくちゃ!」

「ギグまでには、戻って来れるか?」
トニィも不安顔だ。

マークはフッと小さく笑った。

「だけどウォルターも人が悪いな、スーザンを此処に呼び出すなんて。もうガキじゃねーんだから、逃げやしねえのに」

そして、マークは初めて
自分の生い立ちを語ってくれたんだ。

始めから読む(No.3-001)

 

 ロックな界隈にいたなら、マークもタトゥーやってるんだろうなと想像したものの、じっとしてるの苦手なせっかちさんだから、ワンポイントぐらいが関の山かと(描くのも面倒だしね)
 そこで『バットマン』(言っちゃったw)登場! ティム・バートンの映画は1989年とまだ先なので、マークはコミックやアニメを子供の頃から見てて、ファンになったんでしょうね〜(´∀`)