1980s 洋楽★創作物語

1980年代ロンドンが舞台のバンドデビュー物語。UK中心の80s 楽曲 (YouTubeリスト参照) が登場! 20年振りに描くイラストも80年代風・・・( ˘ω˘ )

No.3-032 Believe In (章末)

「あー撮影だけは、どうも苦手だ」

ぐったりしているマークを見て、
タナベさんがクスッと笑う。

「紙面でしか君達に会われへん、たくさんのファンのために頑張らな!」

「でもインタビューって、どこも同じ様なこと聞かれるし……」

そう溜め息を漏らす
ヤスの肩を軽く叩きながら
僕も頷いた。

「そうだよね。逆に僕等の方から、インタビューしてみたいもんだよ?」

「おっ、それイイじゃん! ねぇ君、電話番号は? 今晩、空いてる?」

すかさず、タナベさんに
言い寄るマーク。

取材から逃げようとしたクセに
彼女が若くて美人だと知ったら
コレだよ、現金なヤツ!

トニィは笑ってるけど
フレッドも
「そんなのインタビューじゃなくて、ただのガールハントだよ⁉︎」って
呆れてるしね。

僕はコッソリ
タナベさんに耳打ちした。

「気を付けた方がいいよ? ここだけの話、実はマークって、かなり女ったらしなんだ」

「まぁ! それは『フライデー』『フォーカス』やわ」

この彼女の台詞に
何故かヤスが大爆笑!

そこへ
「おーい、そろそろ時間だぞ」と
ティーブンの声が掛かった。

僕はいつまでも笑ってるヤスを横目に
〝金曜日に焦点?〟と不思議に
思いつつ、部屋を後にした。

 

そうそう、マークのベースは
ちゃんとスタッフが預かっていたよ。

一度バンドから離れていたマークが
こうして生き生きとリハーサルを
進めているのを見ていたら
彼の本命は当分、ベース以外は
無さそうだなと思ってしまった。

でも、それを言っちゃうと
泣きそうな女の子を一人
知ってるんだけどね。

果たしてどうなるか――
日本の最終公演が楽しみだ!

……To be continued

始めから読む(No.3-001)

 

 3章終了\(^o^)/ ご愛読いただき、誠にありがとうございました。4章はトニィのターン。彼らの恋とバンド活動、トントン拍子に進むわけないw
 『フォーカス』は『フライデー』と同じ写真週刊誌で、当時はスクープと同義語でした。今なら「文春砲」で通じるような、そんな感じ⁉︎