1980s 洋楽★創作物語

1980年代ロンドンが舞台のバンドデビュー物語。UK中心の80s 楽曲 (YouTubeリスト参照) が登場! 20年振りに描くイラストも80年代風・・・( ˘ω˘ )

No.3-027 Believe In

そしてマークは
いつものように戯けて見せた。

「ふだん口煩い姉貴がさ、だまーってんのがスゲェ怖かったけど、でもライキーに出るのはOKもらったから。オレのラストステージ、成功させてくれるよな⁉︎」

「もちろんだよ!」
皆んな口々に声を上げた。

バンドからマークがいなくなるなんて
考えもしなかったし、こうして
いつもと変わりなく演奏していると
ライブが終わった後は、マークのいない
The Starlight Night になるなんて
とても信じられなかった。

◇ ◇ ◇

ライブ前日、僕は開店前の
セント・ブライアンズを訪ねてみた。

ウォルターはカウンターで
ドリンクの補充をしながら
話してくれたよ。

「マークはあれでいて、とても不器用なんだ。家族のことが気にかかってる以上、心底音楽に集中できないんだろうな、きっと……」

それは、分かる気がする。

「あいつはまだ若いし、弟が成人する5、6年後には、またこの世界に戻れるよう整えていけばいい――そうアドバイスしたよ。あいつは音楽の道を、諦めたわけじゃないんだ」

ほっとした顔の僕を見て
ウォルターは小さく
溜め息を漏らした。

「ただ残念なのは、せっかく出会えた君達の元を去らなきゃならないことだ。君達とプレイしている時のマークは、今までになく伸び伸びしているし、なんといっても仲良く演れてるみたいだしね?」

僕が頷くと、ウォルターも
嬉しそうに頷いた。

「あいつは結構、神経質でね。これまで色々な奴らと演ってきたけど、上手くいかなかったみたいだ。辛抱強さが無いせいか、直ぐ逃げ出しちまう。まあ、未だに特定の彼女ができないのも、そのせいだろうな?」
とウォルターは笑う。

それに関しては、何もコメントする
立場にないけど。

始めから読む(No.3-001)

 

 弟からすると、姉ちゃん最強! 母ちゃんより怖い存在ですね(カツオとサザエさんのよう⁉︎)マークが女性の扱いに長けてるのは、姉ちゃんの教育の賜物です