1980s 洋楽★創作物語

舞台は1980年代。ロンドンから来日した、新人バンドのVo. ジェムの目線で描く、日本人少年ヤスもメンバーのバンド仲間や家族との成長物語。UKバンドを中心とした、あの頃のあの曲が登場します。時々イメージ・イラストも掲載!

No.3-004 Believe In

「お前ら最高じゃん!」
マークも僕等に、拍手を向けた。

僕もフレッドもヤスも
こんなノリのある興奮は初めてだった。
(やっぱり、生のベース音は最高!)

「勝手に参加して悪かったな。でも久し振りだ、こんな明るいプレイができたのは」

彼はサングラスを外しながら
笑顔で近付いて来た。

「オレはマーク、この春カナダのバンクーバーから、ロンドンに来たばかりなんだ。よろしくな!」

どんな強面こわもて兄ちゃんなのかと思ったけど
サングラスを外した彼の面立ちは
もうすぐ17歳の、まだ幼さ残る笑顔で
僕等と握手を交わした。

「いや〜驚いたよ!? こんな住宅街の外れのガーデンで、こんな少年バンドが練習してるとはね! モニカの家、遠くて面倒いと思ったけど、泊めてもらって正解だったな。で、何ていうバンド? 何処のライブハウスに出てる⁉︎」

僕等3人は、思わず顔を見合わせた。

「別に僕達、バンドってわけじゃないよ? 皆んなの都合がついた時、たまに此処で演奏してるだけで……」

フレッドがそう答えると
マークはオーバーなアクションで
驚いてみせた。

「えっー、マジか⁉︎ そいつはもったいない! 君の声は色気があってイケてるし、君のギターは安定感抜群だし、君のサックスなんてプロ並なんじゃないのか⁉︎」

「Thank You」

僕等は照れながらも礼を言うと
彼はまた、凄い早口で喋りまくった。
まるで〝ボーイ・ジョージ〟みたいに!

「な、な、バンドやってみないか? こんなガーデンじゃなくってさ、本物のステージでギグ[ライブ]ってみたいと思わない?」

「えっ⁉︎ そりゃまあ、でも……」
僕等は彼の迫力に、しどろもどろ。

「だよなー! よーし、そうと決まれば善は急げだ、さぁ行こう!」

マークは機材を片付け始め
僕等は「えっ、えっ?」と戸惑いながらも
勢いに飲まれ、彼に引っ張られるまま
スターライト・ルームを後にした。

始めから読む(No.3-001)

 

 サラッと書いて誤魔化したけど、ベースアンプはどうした⁉︎ 当初はギターアンプと共有でと思って調べたら、それやっちゃダメなヤツでした(汗)
 実際80年代で少年が路上ライブする時、機材は子供でも買える値段なのかとか、持ち運び方(車はダメだし)とか謎だらけ……
 そこで参考になったのは、2016年の映画『シング・ストリート 未来への歌』。1985年のダブリンで、14歳男子が好きな娘を口説くため、バンドを結成する物語。彼らがMV撮影しようと、自分たちで機材を持ち運ぶシーンがありました。と言う訳で、マークも自力で運んでね!