1980s 洋楽★創作物語

舞台は1980年代。ロンドンから来日した、新人バンドのVo. ジェムの目線で描く、日本人少年ヤスもメンバーのバンド仲間や家族との成長物語。UKバンドを中心とした、あの頃のあの曲が登場します。時々イメージ・イラストも掲載!

No.1-002 Mollycoddle

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「「全英No.1、おめでとう!」」

この台詞を浴びてから1時間ちかく経ち
アルコールに弱い僕は
そっとパーティーを抜け出した。

ホント、お祭り好きな奴ばっかなんだ。
全英No.1で、あんなに
はしゃいじゃってさ。

確かに、奇跡としか思えなくて
僕だって心の中では「We did it !」を
連発してるんだけど
さすがに、もうクタクタだよ。

それで、自分の部屋の前まで来ると

「あれジェム⁉︎ もう、どんちゃん騒ぎは終わったの?」

ちょうど弟のフレッドが
氷を持って、戻って来たところで
僕はそのまま、彼の部屋に転がり込んだ。

ホテルの部屋割りはマークとトニィ、
フレッドとヤスが同室で
僕は一人寂しくシングル・ルーム。
つまり此処は、フレッドとヤスの部屋。

「いつの間に抜け出したんだよ、フレッド?」

僕は肩まで伸びてきた緩い癖っ毛を
雑に結んでいたヘアゴムを外すと、
思い切りヤスの方のベットに倒れ込んだ。

「随分と飲まされたみたいだね?」
フレッドは、掛けていたメガネを外して
クスッと静かに笑った。

「ズルい奴だなぁ、僕等のためのパーティーなのに。あっ、水くれる?」

「ああいうのは、好きじゃない――」

こういう時のフレッドは
凄く大人びていて
とても19歳とは思えない。

彼はグラスに氷を入れて
冷蔵庫にあった水を注ぎ
渡してくれた。

「冷めてる奴……嬉しくないの?」
僕はその水を
勢いよく飲み干した。

「そりゃ嬉しいよ、No.1だもん。あ~ジェム、溢すなよ⁉︎ ヤスに怒られちゃうじゃん」

フレッドは自分のグラスを置いて
タオルに手を伸ばし、後ろを向くと
僕は透かさず、彼の背中から腕を回した。

「しっかり者の弟だよ、君は」
そう言って
彼のサラサラなブロンドヘアを
くしゃくしゃにする勢いで撫でた。

「ジェム! 酔ってるからって、ふざけんなよ⁉︎

さっきまで、妙に
落ち着いていた弟の顔が
たちまち坊やに見えてくる。

「ハハッ可愛い奴♩ ん~眠い……
嫌がるフレッドに
わざと甘えてみせた。

 

僕等は仲が良い兄弟といわれるけど
それは多分、子供の頃は
別々に暮らしていたからだと思うんだ。

あれは確か僕が7歳で、君が5歳の頃。
僕の名前が、まだ
ジェームス・サミュエル・スチュアート
だった頃――

始めから読む(No.1-001)

 

 兄弟わちゃわちゃ好き♡ バンド内で兄弟と言えば『オアシス』のギャラガー兄弟が思い浮かぶけど、80年代に絞るなら断然『チェッカーズ』の藤井兄弟!(洋楽に非ずw)世代的に影響大で、今思えばキャラの年齢や兄弟設定は、ココからきたんじゃないかなと。
 バンド構成は『スパンダーバレエ』から。ここにもケンプ兄弟いますね。他に『インエクセス』のファリス三兄弟も気になるけど、外せないのは、その名もズバリ『ブロス』のゴス兄弟。双子で美青年なんて、最強すぎる!(≧∇≦)

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