EVERYTHING FOR YOU
「なあ、ジェム?」 ダッドは僕のことを、ジムやジミーではなく〝ジェム〟と呼んでいた。 「見てごらん、星が出てきたね? 僕の故郷では、この何倍もたくさんの星が輝いているんだよ。まるで宝石のようにね」 空を見上げるダッド。 「ジェム、僕の宝石Gem――…
夕飯を終えた、僕とフレッドを連れてダッドはガーデンに向かった。 まだ寒さの残る、外気の中スターライトを弾くダッドに見惚れ思うように弾けない自分にむくれて見せた。 「何でそんなに、指を動かせるの⁉︎ 僕も本当に、スターライトを弾けるようになる?」…
僕が6歳を過ぎた辺りからダッドはほとんど家に居るようになった。 ダッドが子供用のギターを買ってくれたから「大きくなったら、ダディと一緒のステージに立つんだ!」って意気込んでいたよ。 ギターが上手で優しいダッドは大好きだったけど家には帰らず、…
僕はロンドンの高級住宅街と呼ばれるエリアに ダッド[父]のウィリアム・アラン・スチュアートマム[母]のステイシー・アン・スチュアート未亡人のナニー[乳母]Mrs.ジョーンズ弟のフレッド、そしてブリティッシュ・ショートヘア[猫]ベルの5人と一匹で…
pick out: Bros 「「全英No.1、おめでとう!」」 この台詞を浴びてから1時間ちかく経ちアルコールに弱い僕はそっとパーティーを抜け出した。 ホント、お祭り好きな奴ばっかなんだ。全英No.1で、あんなにはしゃいじゃってさ。 確かに、奇跡としか思えなく…
「お疲れ様!」「最高だったよ!」 関係者やスタッフ、マネージャー、皆んなが笑顔で迎えてくれた。 今日は僕等のバンドThe Starlight Night の日本公演の初日で、ちょうど今渋谷公会堂でのライブが終わったところ。 バンドはプロモーション・ツアーの真っ最…
We want the world and we want it nowオレ達は世界を手にしたい、それも今直ぐにだ ※The Doors『When the Music's Over』Released:25 September 1967 この世界の誰かが言った台詞。 僕も世界が欲しいから 此処にいるんだ。 だけど僕は、時々考えてしまう。…
「EVERYTHING FOR YOU」全10章。各章のあらすじをまとめ、章タイトルの和訳も付けました。しょっぱなからMollycoddle (マリカドル)って意味分からんし、読めないしね (汗)ちゃんと物語は完成しているのに更新が遅々として進まないのは、お絵描きがですねぇ………