夕飯を終えた、僕とフレッドを連れて
ダッドはガーデンに向かった。
まだ寒さの残る、外気の中
スターライトを弾くダッドに見惚れ
思うように弾けない自分に
むくれて見せた。
「何でそんなに、指を動かせるの⁉︎ 僕も本当に、スターライトを弾けるようになる?」
ダッドは優しく微笑んだ。
「そうだね……ジェムがもっと大きくなって、たくさん勉強して、毎日うんと練習すれば、必ず弾けるようになるよ」
そう言って一緒に
『星に願いを』[映画『ピノキオ』の主題歌]を弾いてくれた。
僕のたどたどしい
メロディラインに合わせて
ダッドが優しく、伴奏を添えてくれると
一端のギタリストになった気分だった。
気付けば、日が傾き始め
僕は小さなクシャミを一つ。
「ダディ、そろそろ帰らないと、またマムに怒られるよ?」
この日は、久し振りに
ステイシーが帰ってくると
Mrs.ジョーンズから聞いていたんだ。
しかしダッドは頷きつつも
一向に、動こうとはしなかった。
フレッドは既に、ダッドの腕の中で
寝息を立てている。
僕は幼いながらも、この日のダッドは
いつもと様子が違うと感じていて
それ以上、何も言えなかった。