1980s 洋楽★創作物語

舞台は1980年代。ロンドンから来日した、新人バンドのVo. ジェムの目線で描く、日本人少年ヤスを含むバンド仲間や家族との成長物語。UKバンドを中心とした、あの頃のあの曲が登場!

No.1-012 Mollycoddle

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そして、メアリーの婚約者
ローランド・ユスティーヌ・モローが
挨拶にやって来た。

ステイシーとミスターは
まだ、出先から戻ってなかったので
僕が一家の主人あるじとして(!)
憮然とローランドを出迎えた。

彼も大きな体で、見下すように
手を差し伸べてきた。

「君がジェムか。確かに女の子みたいな、カワイ子ちゃんだな」

僕は当然、その手を拒んだ。

「馴れ馴れしく、ジェムって呼ぶな!」

「――性格は可愛気ないな」

彼はフンッと鼻で笑うと
お茶の準備をしているメアリーに向かって
声を上げた。

「何も心配する必要は、無いじゃないか⁉︎ 子供とはいえ男なんだ。いつまでも甘えさせるわけに、いかないだろう?」

彼は僕の頭を、雑に撫でながら
顔を近付けてきた。

「これからは寂しくなったら、ママンに甘えるんだな〝お嬢ちゃん〟」

このローランドの、大人気無い態度は
今では僕等の語り草だ。

彼はメアリーが、いつも僕の話をする上
デートも僕のために、切り上げてしまったり
プロポーズした時も、僕を気にかけて
返事を渋ったもんだから
元々僕のことが、気に入らなかったそうだ。

この日、初めて僕のルックスを見て
かなりコンプレックスを、刺激されたとか。
(ローランドは無骨なタイプだからね)

今でこそ、僕等はとても親しいけれど
出会いはこんな風に、最悪だったんだ。

 

話を戻すと

 

その後も、ローランドは
しつこく悪態をついてきたので
頭にきた僕は、彼の脛を
思いっ切り蹴飛ばしてやった。

「お前なんかにメアリーは渡さない! お前みたいな下品な奴が、メアリーの夫だなんて認めない! 純情なメアリーをたぶらかしやがって、このフロッギー!
※カエル野郎:フランス人の蔑称

次の瞬間、
メアリーの手が、僕の頬を叩いた。

始めから読む(No.1-001)

 

 フランス人がカエル野郎と言われるのは、蛙を食べるかららしいです。イギリス人はライム野郎、ドイツ人はキャベツ野郎、イタリア人はマカロニ野郎と、食べ物系なんですね。ちょっと面白いw