ジャズ、ジャズ、ジャズ!
ダッドからはクラシック
ギター教室ではポップス&ロック
バンド時代はパンク、ニューウェーブと
今まで、それなりに演ってきたけど
ジャズはまったくノーマークだった。
僕等兄弟は、お小遣いを叩いて
リズムマシンとベースシンセを購入。
独特のリズムを、徹底的に叩き込む。
僕はバイト先の元音楽講師の
(Ms.オコナー的に音楽に関連してる)
店長に、How to や
お勧めのアルバムを借りたりして
ジャズにのめり込んでいった。
夏休み最終日
僕とフレッドは、ヤスの部屋にいた。
まるで今から、オーディションを
受けるかのような、緊張感が走る。
リズムマシンのカウントがスタートし
僕等のバッキングが始まる。
譜読みは完璧、アレンジもソツなく
大きなミスもない。
だけど――
「……ノレない」
ヤスの上目線の一言に、何も言えない。
その通りだから。
これがジャズの難しさ、奥深さ。
ギター歴10年のプライドを捨てて
僕は頭を下げた。
「でも、ここまでマスターしたし、悪くはないと思う。後ちょっとのグルーヴ感を、君に教わりたいんだ」
「ヤス、一緒に練習しよう? 3人で完璧に演れたら、めっちゃクールじゃない⁉︎」
とフレッドも懇求。
そんな僕等の様子に
戸惑いを隠せないヤスが
重く口を開いた。
「もう新学期が始まる。ジェムもシックススフォームになるし、俺なんて構ってられないはず。遊びの時間は、お終いだろ?」
「遊びじゃないよ、僕は真剣に――」
「遊びだろ⁉︎ プロになるわけじゃ無いし。プロ目指すっていうなら尚さら、ちゃんとしたバンドに入るべきだ」
ヤスは、そのまま視線を落とし
ぶっきらぼうに呟いた。
「ジェムに俺は必要ないよ」
その一言に、僕の何かがキレた。
ちなみにジェムが欲しがっているのはジャズギター (凄いザックリw)です。あ、ピック描くの忘れた!