1980s 洋楽★創作物語

舞台は1980年代。ロンドンから来日した、新人バンドのVo. ジェムの目線で描く、日本人少年ヤスもメンバーのバンド仲間や家族との成長物語。UKバンドを中心とした、あの頃のあの曲が登場します。時々イメージ・イラストも掲載!

No.2-023 Mixd Feelings

f:id:usagiara:20220311113655j:plain

周りを気にしなくなると
皆んな彼を、遠巻きにするようになり
一人でいても、なんてことはないと
気付いたヤスは、ますます周囲に
壁を築いていった。

そのことを、僕に指摘されるまで
気にも留めなかったと言う。

 

フレッドが
「最初に挨拶したとき『邪魔、どいて』って凄く冷たかったよね? 愛想が無いんだよ、ヤスは」
と意地悪く言うと

「あの時は荷物で両手が塞がってたのに、握手できるわけないだろ? 荷物を置いて下に降りたら2人とも、もう帰ってたじゃないか。悪かったな、愛想無くて!」

ヤスは口を尖らせて続けた。

「大体、母さんは心配性なんだ。俺は大丈夫だって何度も言ってるのに。あのカウンセリングの先生も、苦笑いしてたし。それと俺の従兄弟達! おもちゃ自慢ばかりしてくる、しょーもない連中の相手しろって、何の罰ゲームだよ⁉︎」

堰を切ったようにヤスは
溜め込んでいた不満を口にした。

「それに、いくら昔馴染みだってジェムにはジェムの生活があるのに、俺のことで一々付き合わせるなんて、どうかしてる。ジェムだって頼まれたら断れないの、知ってるし……」

それを聞いて感激した僕は
思わずヤスに抱き付いた。
(直ぐ避けられたけど)

そう、僕等はヤスを
心配しすぎていたみたいだ。

彼はちょっと、自分の気持ちを
表現するのは不器用だけど
こんなに周りに気を使ってくれる
いい奴なんだ。

 

「でもヤス、母親っていうのは、そういうもんじゃないの? 大袈裟な程、子供を心配するんだよ」

「フレッド君、その意見には賛同しかねるね」

「……ジェムって、まだステイシーと上手くいってないわけ? ガキくせー」

ヤスが白い目で僕を見る。
ほっといてくれ!

 

 

★      ★      ★

 

 

「おーいジェム、野菜ばっか食ってると、麺が伸びるぞ⁉︎」
マークが僕の頭を突いた。

そう言われても
このタンメンってラーメン、
キャベツとモヤシがテンコ盛りで
なかなか麺まで、たどりつけないんだけど⁉︎

まあ、彼の要求は分かってるよ。

始めから読む(No.2-001)

 

 モヤシなんて、アジアン食材店に行く人じゃなきゃ知らないんじゃない? と思ったら「bean spouts」で普通のスーパーに売られているとか(80年代からあったのかな?)むしろキャベツの方が、日本と種類や品種が違うようです。
 土地が変われば野菜も変わる。向こうで生活したら日本料理以前に、日本の食材が恋しくなりそうですね (*´༥`*)モグモグ