pick out: Take Five
初めて入った、おじさんの書斎には
かなりの数の本とレコードがあって
まるで、宝物部屋のようだった。
ピカピカに磨かれたサックスで
ジャズを奏でる、おじさんが格好良くて
興奮した僕は『星に願いを』を
一緒に演奏してもらったんだ。
ダッド以外の人や、ギター以外の
楽器とセッションしたのは
これが初めてだったから
もの凄く嬉しかったよ!
おじさんは、僕のギターの腕を
とても誉めてくれたしね。
そしたらヤスが
自分も仲間に入るんだって、
おじさんのサックスや
僕のギターを寄越せと
顔を真っ赤にして大泣き!
まだ、ちびっ子のヤスには
楽器を抱えるのがやっとだから
おじさんも、なだめるのが
大変そうだったよ。
そんな2人の様子に
ダッドとフレッドを想い出して
ちょっぴり羨ましくなったっけ……
そして月日が流れ
ヤスは小学校に入学するため
日本へ帰ることになった。
「ぼく、ジェムのこと忘れないよ。いつかまた帰ってくるから、ぼくのこと忘れないで」
別れ際にヤスは
目に涙をいっぱい溜めて
イギリスを発って行った。
◇ ◇ ◇
それから6年、僕は16歳になった。
フレッドが来てからは生活も
すっかり落ち着いた。
勉強の遅れを取り戻すのに
ホームスクーリング[家庭学習]を経て
ちゃんと学校にも、通うようになった。
60年代はRock、50年代はJazzの全盛期。ヤス父母は「古き良きアメリカ」に憧れた世代ですよね。ジャズも様々な名曲があるけど、ジェムが目にしたヤス父の演奏曲は『Take Five』(1959) がいいかな。この変則リズムに、カッコイイ!って釘付けになりそう(´∀`)
Dave Brubeck - Take Five
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