「素直に『一口ください』って言いなよ?」
「一口くれー!」
テーブルを揺らすマークの前に
ラーメンを置くと
彼の〝一口〟で一気に減ってしまい
目が点になった。
「……美味しい?」
結局マークは、僕のラーメンを
全部食べてしまったんだ。
(既に餃子を二皿も食べてるのに!)
それから僕等は、フレッドとトニィの
〝金持ち組〟と合流して
ホテルに戻って来た。
残る一人は――
「ただいまー。な、なんだー?」
ヤスが部屋のドアを開けて驚く。
皆んなで一列に揃って
出迎えてあげたんだ。
「随分と遅いお帰りで」と僕。
「一人でどっか行ちゃってさー」とフレッド。
「オレ達に、なーんの土産もないんだ?」とマーク。
「冷たい奴~!」とトニィ。
「なんだよ皆んなして⁉︎ たかが5分だろ、5分!」後退るヤス。
「5分でも遅刻は遅刻」
「当然、夕飯はヤスの驕り!」
「覚悟はできてるね、ヤスアキクン?」
「わ、悪かった。俺が悪かった、だから――」
「甘ーい、それっ!」
皆んな一斉に、ヤスに襲いかかった。
もうドタバタの大騒ぎ!
ねえ、ヤス? 君はあの時
『ジェムに俺は必要ない』って言ったけど
『俺にジェムは必要ない』って言われていたら
君の本心に、気付けなかった
かもしれない……
だから
これから先も君の前には
様々な人達が、通り過ぎてくだろうけど
僕は変わらず〝ここ〟にいるよ。
たとえ僕等 The Starlight Night の
5人の仲間が、別々の道を行く時が
きたとしてもね。
だって僕は〝I need you〟のパワーを
信じてるんだ――
「ギブアップ、ギブアップ! あっ、ジェム助けてくれ!」
「なあヤス?」
「――ん?」
「今日は楽しかった⁉︎」
僕の問いに
ヤスは笑顔で答えた。
「……まあまあかな?」
「――! この憎ったらしい奴、くらえヘッドロック!」
この後、僕等がスティーブンに
こっぴどく叱られたのは
言うまでもない。
……To be continued