1980s 洋楽★創作物語

舞台は1980年代。ロンドンから来日した、新人バンドのVo. ジェムの目線で描く、日本人少年ヤスもメンバーのバンド仲間や家族との成長物語。UKバンドを中心とした、あの頃のあの曲が登場します。時々イメージ・イラストも掲載!

No.2-013 Mixd Feelings

f:id:usagiara:20220311122911j:plainfeat. The Beatles - She Loves You


「彼、どう変わるかな? 確かにさっきのヤスは、ちょっと可愛かったけど」

このフレッドの台詞に
「可愛いだって⁉︎ アハハッ!」
と声を出して笑ってしまった。

「なんだよ⁉︎」
ブスッとするフレッド。

「だってヤスも可愛いけど、君だって可愛いんだもの」

さっきまで、ヤスにビビっていた
フレッドの姿が目に浮かんだ。

「悪かったね、可愛くて!」

そう言って、拗ねるところが
可愛いんだよ?

だけど、もう一つ付け加えるなら
フレッドは陰険なんだ。
だって夕食の僕のシチューの中に
肉が1つも、入ってなかったんだから!

◇ ◇ ◇

さて、ヤスがサックスを演ると
分かったからには
セッションしない手はないよね?

次の日、僕等は早速ギターを抱えて
ヤスの家に上がり込んだ。

だけどヤスは「NO」の一言で
サッと自室へ消えてしまった。

 

「あの子サックスを習ってたんだけど、主人が亡くなってから辞めてしまったのよ」

ユミコがお茶を淹れながら
落胆する僕等に、笑顔を向けた。

「せっかくギター持って来てくれたんだから、おばさんに何か聴かせてくれる?」

僕とフレッドは照れながらも
喜んで演奏したんだ。
誰かに聴いてもらうのは、嬉しいよね。
ユミコも笑顔で、手拍子している。

3曲目の『シー・ラブズ・ユー』が
終わる頃、視線を感じた。

The Beatles『She Loves You』Released:23 August 1963 (UK)]

 

「ヤス、一緒に演ろう!?」
手を振ってみたけど

「麦茶、取りに来ただけだから」
と相変わらずだ。

そんな彼の態度に
つい煽ってしまった。

「……まさかビートルズの、こんな簡単な曲もできないの? おじさんの腕には、遥かに及ばないってわけだ」

ビートルズくらい合わせてやるよ! キーは?」

作戦(?)成功!
僕等はユミコに促されて
ヤスの部屋へ上がった。

始めから読む(No.2-001)

 

 簡単扱いして申し訳ないですが、そこがビートルズの偉大なるところ。前回、洋盤はコンセプト・アルバムが多いと書いたけど、それをスタンダードにし、ミュージシャンがアーティストと賞賛されるようになったのはビートルズの功績だとか。彼等の偉大さはヒットした名曲が多いから、ってだけではないんですね!