1980s 洋楽★創作物語

舞台は1980年代。ロンドンから来日した、新人バンドのVo. ジェムの目線で描く、日本人少年ヤスもメンバーのバンド仲間や家族との成長物語。UKバンドを中心とした、あの頃のあの曲が登場します。時々イメージ・イラストも掲載!

No.1-026 Mollycoddle(章末)

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「まあ直ぐには無理だけど、ステイシーのことは、受け入れるよう努力するよ」
そう言うと、フレッドは嬉しそうに頷いた。

 

――強い男になるんだ。
  誰も傷つけないくらい強く――

 

ダッドの残した言葉が、強く心に響いていた。

 

 

★      ★      ★

 

 

「ほら、寝ぼけてないでジェム⁉︎ 皆んな帰ってきたよ。パーティーは、終わったみたいだね」
フレッドの声で、意識が戻る。

「よっ、ご兄弟! 2人とも抜け出してたなんてズルいぞ!」

ドアからマーク、ヤス、トニィの3人が
顔を出していた。
ボヤけていた視界も、現実に戻る。

でも、まだ酔っ払いモードの僕に
フレッドがせっついた。

「ヤスが帰ってきたから、自分の部屋に戻んなよ?」

「え~独りにするなよ、寂しいよ~」

フレッドの背中に抱きつき
頬ずりする僕を見て〈おおーっ!〉と
皆んなが、赤い顔でどよめいた。

「俺は別に構わないけど。ジェムの部屋で寝るから」

そう言って
自分の荷物を持ち出すヤスに
慌てるフレッド。

マーク、ヤス、トニィは
「兄ちゃんの頼みは断っちゃいかんよ?」
「じゃ、おやすみ!」
「ジェム、頑張れよ~」と
それぞれ手を振り、部屋を後にした。

「な、何を頑張るんだよ⁉︎ 皆んなの裏切り者~!」

叫ぶフレッドに構わず
引っ付く僕。

「つれないなぁ、たった2人の兄弟じゃないか?」

「もう離してよ、僕のベッドに戻るんだから」

そう言われても構わず
彼の腰に手を回して抱きしめた。

「照れちゃって可愛いねぇ、う~ん……愛してるよ……

「ううっ⁉︎ い、いい加減にしろ~‼︎

8年間のブランクがあったせいか
フレッドとは、兄弟というより
親友って感じだ。

僕はこの、とっても素直で
揶揄いがいのある弟が、大好きなんだ!

◇ ◇ ◇

翌朝、目が覚めると
左の頬が赤くなっていた。

「あれ、何だコレ⁉︎」鏡の前で考え込む僕。

「あのジェムの顔、何があったんだフレッド⁉︎

「僕は悪くないんだヤス! だってジェムが、その……

「何々フレッド君? マーク兄さんに教えなさい!?」

「おい、何だってマーク? えっ、マジで⁉︎

「トニィ、俺にも教えろよ。えっ、キス? マウス・トゥ・マウスで⁉︎

3人とも、僕とフレッドを無視して
ゲラゲラ笑い出す。

「……もう、皆んなして何なんだよ⁉︎ それより昨日は、僕がシングル・ルームの筈だったのに、何でこっちのベッドで寝てたわけ? せっかく一人で快適な部屋だったのに、なんで~⁉︎

むくれる僕に、フレッドは
プイッと顔を背けた。

「知らない! ジェムはもう、お酒禁止!」

どうやら僕は
何かやらかしたみたいだ。

……To be continued

始めから読む(No.1-001)

 

 1章終了\(^o^)/ ご愛読いただき、誠にありがとうございました。2章は中学生になったヤスがロンドンに戻ってきます。幼馴染との感動の再会? 中学生男子、そんなカワイイわけないw

 

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