1980s 洋楽★創作物語

1980年代ロンドンが舞台のバンドデビュー物語。UK中心の80s 楽曲 (YouTubeリスト参照) が登場! 20年振りに描くイラストも80年代風・・・( ˘ω˘ )

No.1-025 Mollycoddle

フレッドの話を遮って
家より少し手前のバス停で降りた。

僕等は黙って歩き、着いた所は
懐かしいスターライト・ルームだ。

「鍵、持ってないよ?」困惑するフレッド。

僕は入り口から少し外れた先の
茂みに手を掛け、木の枝を伝い
柵を越えてガーデンの中に入ると
彼を手招いた。

久し振りに訪れた
スターライト・ルームの中で
記憶をたどるように、たたずむフレッド。

「そうしてると、やっぱりダッドに似ている」
僕も遠い記憶が、よみがえってきた。

フレッドは振り向くと
ゆっくり口を開いた。

「ダッドは、また此処に帰りたいって言ってたよ。なのに、二度と帰れない場所へ行っちゃうなんてね……

肩を震わせる彼の背中に
そっと手を添えた。

フレッドは、この時まだ13歳。
彼は幼い瞳で、どれだけのことを
見てきたんだろう。
僕の知らない、どれだけのことを――

そう思うと、これからは僕が
ダッドの代わりに君を守らなくちゃと
フレッドの背中を元気良く叩いた。

「さっ、家に帰ろう⁉︎ お腹空いちゃったよ」

「じゃあ、お茶の用意をするよ」

そう言ってフレッドは
笑顔を見せた。

 

家に帰ってきた僕に
ステイシーは何も言わなかった。

彼女はまるで
僕がずっと家で暮らしていたみたいに
変わりなく接してくれた。

それは彼女の、母親としての
心遣いだったのかもしれない。

始めから読む(No.1-001)

 

 マムはジェムが心配じゃなかった? 例えばだけど、玄関で靴がキチンと揃えられていたら「大丈夫そう」って思える、そんな感じかと。お坊ちゃん、悪になりきれないw
 家政婦さんも、財布(現金)じゃなくカード使用だと思うので、マムはわざとお金を置いていたのかも⁉︎ まぁ、いざとなったら金の力で何とかできる、お金持ち設定は最強!