1980s 洋楽★創作物語

舞台は1980年代。ロンドンから来日した新人バンドのVo. ジェムの目線で描く、日本人少年ヤスもメンバーのバンド仲間や家族との成長物語。UKバンドを中心とした、あの頃のあの曲 (YouTubeリスト参照) が登場します。イメージ・イラストも掲載中!

No.1-017 Mollycoddle

「あんなクソみたいな奴ら、付き合ってらんないよ」 その日以来、リンダとは急速に親しくなっていった。 彼女は父親が合唱団員で小さい頃から歌っていたから発声方法には詳しいとヴォイストレーニングをしてくれたんだ。 但し条件として 「ちゃんと家に帰っ…

No.1-016 Mollycoddle

別に彼等を好きなわけじゃなかったよ。 彼等はいつも、女の子を連れ歩き昼間っから酒やドラッグを浴びては他のグループと賭け事に明け暮れていた。 夜は変な連中しか来ないライブハウスに出ちゃ騒音をかき鳴らし唾をかけられたりして、しょっちゅうトラブル…

No.1-015 Mollycoddle

ある日、繁華街の裏手で声を掛けられた。 「良いとこのお嬢ちゃんが、こんな場所にいちゃいけないな~」 振り返ると僕とそう年が変わらない少年がニヤニヤしながら立っていた。 典型的な、ワーキング・クラスの彼ファズに連れられて、繁華街の中でも物騒なエ…

No.1-014 Mollycoddle

それでも、メアリーが無事に女の子を産んで会わせてくれた時は嬉しかったな。 この小さな命が笑いかけてくれるのを見ていたらメアリーが一大決心してローランドに付いて行ったのは正しかったと思えたんだ。 ◇ ◇ ◇ メアリーという、心の支えを失った僕を見兼…

No.1-013 Mollycoddle

「ジェム! 今のは英国紳士ジェントルマンの口の訊き方じゃないわ。謝りなさい」 こんな風に怒ったメアリーは初めてだった。 僕はショックで 「メアリーなんか大っ嫌いだ! フランスでも何処でも行っちまえ!」と吐き捨て、リビングを飛び出した。 程なくし…

No.1-012 Mollycoddle

そしてメアリーの婚約者ローランドが、挨拶にやって来た。 ステイシーとミスターはまだ、出先から戻ってなかったので僕が一家の主人あるじとして(!)憮然とローランドを出迎えた。 彼も大きな体で、見下すように手を差し伸べてきた。 「君がジェムか……確か…

No.1-011 Mollycoddle

僕が10歳の頃、メアリーは何だか思い詰めている様子が続いた。 「どうしたのメアリー? 何かあった?」 彼女は理由を言ってはくれなかったけど強く抱き締めてくれたよ。 「ありがとうジェム。優しい子ね、大好きよ」 彼女の腕の中で僕はとても幸せな気分に浸…

No.1-010 Mollycoddle

彼女は一人っ子だったせいか弟のように、可愛がってくれたよ。 それに、ダッドとフレッドと離ればなれになってしまった僕にとても同情的だった。 僕は本気で思ってたんだ。「大きくなったら、メアリーと結婚するんだ。ダディとマムのように、別れたりしない…

No.1-009 Mollycoddle

メアリーに演奏を褒められてとても嬉しかった僕はたちまち彼女に夢中になった。 彼女とヤスのお陰でダッドとフレッドがいない寂しさを忘れることが、できたんだ。 とはいえ、僕は両親の離婚で深く傷ついていたと思う。 愛する人が離れていってしまうことを …

No.1-008 Mollycoddle

僕は小さい頃から母親を好きではなかった。例え母親と離れることになっても父親と一緒にいたかった。 なのに 「ダディは僕を置いていった。ダディは僕ではなく、フレッドを選んだ」 そう思ってしまい、弟のことも憎らしくなってしまった。 だから、2人に会…

No.1-007 Mollycoddle

事件は、次の日に起こった。 昼食の後、ダッドとステイシーが車に荷物を積み出した。 「ねえジェム、旅行でもするの?」フレッドがキョトンとしている。 「知らないよ、そんなこと聞いてない……」 支度が終わるとダッドはフレッドを車に乗せた。遠くで様子を…

No.1-006 Mollycoddle

「なあ、ジェム?」 ダッドは僕のことを、ジムやジミーではなく〝ジェム〟と呼んでいた。 「見てごらん、星が出てきたね? 僕の故郷では、この何倍もたくさんの星が輝いているんだよ。まるで宝石のようにね」 空を見上げるダッド。 「ジェム、僕の宝石Gem――…

No.1-005 Mollycoddle

夕飯を終えた、僕とフレッドを連れてダッドはガーデンに向かった。 まだ寒さの残る、外気の中スターライトを弾くダッドに見惚れ思うように弾けない自分にむくれて見せた。 「何でそんなに、指を動かせるの⁉︎ 僕も本当に、スターライトを弾けるようになる?」…

No.1-004 Mollycoddle

僕が6歳を過ぎた辺りからダッドはほとんど家に居るようになった。 ダッドが子供用のギターを買ってくれたから「大きくなったら、ダディと一緒のステージに立つんだ!」って意気込んでいたよ。 ギターが上手で優しいダッドは大好きだったけど家には帰らず、…

No.1-003 Mollycoddle

僕はロンドンの高級住宅街と呼ばれるエリアに ダッド[父]のウィリアム・アラン・スチュアートマム[母]のステイシー・アン・スチュアート未亡人のナニー[乳母]Mrs.ジョーンズ弟のフレッド、そしてブリティッシュ・ショートヘア[猫]ベルの5人と一匹で…

No.1-002 Mollycoddle

「「全英No.1、おめでとう!」」 この台詞を浴びてから1時間ちかく経ちアルコールに弱い僕はそっとパーティーを抜け出した。 ホント、お祭り好きな奴ばっかなんだ。全英No.1で、あんなにはしゃいじゃってさ。 確かに、奇跡としか思えなくて僕だって心…

No.1-001 Mollycoddle

「お疲れ様!」「最高だったよ!」 関係者やスタッフ、マネージャー、皆んなが笑顔で迎えてくれた。 今日は僕等のバンドThe Starlight Night の日本公演の初日で、ちょうど今渋谷公会堂でのライブが終わったところ。 バンドはプロモーション・ツアーの真っ最…

Prologue

We want the world and we want it nowオレ達は世界を手にしたい、それも今直ぐにだ ※The Doors『When the Music's Over』Released:25 September 1967 この世界の誰かが言った台詞。 僕も世界が欲しいから 此処にいるんだ。 だけど僕は、時々考えてしまう。…

あらすじ & メンバー紹介

「EVERYTHING FOR YOU」全10章、あらすじをまとめて、章タイトルの和訳も付けました! しょっぱなから「Mollycoddle(マリカドル)」って意味分からんし、読めないしね(汗)ちゃんと物語は完成しているのに、更新が遅々として進まないのは、お絵描きがなか…

YouTube リスト

ブログに登場(予定)の楽曲リストです。見出し上でクリック(タップ)すると、ソートします! ★ソートするには上記タイトル、またはメニュー項目から「YouTube リスト」を選択して、ページ単体で表示してください。 No. Name(The除く) Song 01-002 Bross …

ご挨拶〜はじめに

1985年『We Are The World』がトップチャートを席巻していた頃。ベストヒットUSAで流れたa-haの『Take On Me』のPVに釘付けになった私。 早速、お小遣いを握りしめて『ロックショウ』『ビバロック』等の、洋楽アイドル雑誌を購入。そして「自分が記…