1980s 洋楽★創作物語

舞台は1980年代。ロンドンから来日した、新人バンドのVo. ジェムの目線で描く、日本人少年ヤスもメンバーのバンド仲間や家族との成長物語。UKバンドを中心とした、あの頃のあの曲が登場します。時々イメージ・イラストも掲載!

−−No.3 Believe In

No.3-013 Believe In

「君達、ドラマーいらないか? 昨日ずっと見てたんだけど、途中でベースの奴が入ってきただろ? オレだってドラムがあったら、飛び入り参加したのに!」 彼は悔しそうに拳を振って話を続けた。 「君達が此処から出て来たときに声を掛けようとしたんだけど、…

No.3-012 Believe In

そういえば、昨日慌ててマークに付いて行ったから門の鍵を閉め忘れていたこと、今頃になって気が付いた。 僕等が端の方から恐る恐る様子を伺ってみると男は荷物をほどき何かを組み立て始めた。 あれは……練習用のドラムパッド⁉︎ 空が橙色に染まる静寂の中ステ…

No.3-011 Believe In

feat. The Smiths - This Charming Man 「ジェム、落ち着きなよ⁉︎ 物に当たるのは良くない!」慌てるフレッド。ヤスも呆れている。 「僕は落ち着いてるよ⁉︎ 君らに八つ当たらないだけ、十分落ち着いてるっ!」 そんな僕にフレッドは溜め息を吐いた。 「ねえ…

No.3-010 Believe In

「駄目だと言っても、君達はやるだろう? ただ、まだ未成年なんだから、勉強に差し支えない程度にしておきなさい」 「僕は成人[18歳]している」と言おうとしたらフレッドが制して笑顔で応えた。 「ありがとうございます!」 仕方なく僕も小声で「どうも」…

No.3-009 Believe In

僕等は昨夜のステージの余韻が残るままバンド名やステージ映えする曲のアイディアを出し合っていたんだ。(至って健全でしょ?) 気付けば時計の針はもうすぐ20時になろうとしていた。 「お腹空いちゃったね? 何か作るよ」 フレッドが立ち上がり、僕とヤス…

No.3-008 Believe In

「僕、キーボードなら、少しできるけど?」 フレッドが手を挙げた。えっ⁉︎ 「ダッドと住んでた頃に演ってたバンドの、キーボードだった友達に教わって……あんまり上手くないけどね」 照れ臭そうに答えるフレッド。キーボード? バンド?そんなこと、初耳だよ…

No.3-007 Believe In

「あのガーデンで演ってたのと、同じでいいんだ。大丈夫、初めは誰だって初心者だ!」 ウォルターがドラムのスティックでカウントを取るとマークのベースがルートを刻みフレッドのギターとヤスのサックスで、イントロが始まる。 そして、わずかに震えた僕の…

No.3-006 Believe In

feat. Kate Bush 僕等はマークに引っ張られステージの正面を陣取った。 先ず、パンクっぽいバンドの演奏からスタート。シンプルながらも激しいビートで掴みはOKだ。 次は女性ヴォーカル。幼げなルックスの割に独自の世界観で歌い上げる様は〝ケイト・ブッシュ…

No.3-005 Believe In

マークに付いて行った僕等は気付けばテムズ川を渡りイースト・エンド地区に入っていた。 この辺はロンドンでも1、2位の危険地域なんだ。 不安げな僕等をマークは気にもせず先日行われた〝ライブ・エイド〟について熱く語ってる間に着いた所はセント・ブライ…

No.3-004 Believe In

「お前ら最高じゃん!」マークも僕等に、拍手を向けた。 僕もフレッドもヤスもこんなノリのある興奮は初めてだった。(やっぱり、生のベース音は最高!) 「勝手に参加して悪かったな。でも久し振りだ、こんな明るいプレイができたのは」 彼はサングラスを外…

No.3-003 Believe In

feat. Haircut 100 - Favourite Shirts (Boy Meets Girl) フレッドとヤスが、プログラミングに夢中でディスカッションしてる間に僕は中古自動車のカタログと睨めっこ。 去年免許を取得※してたまに、ミスターの車を借りるんだけど高級車なんて気が引けるしオ…

No.3-002 Believe In

「ライブってさ、何度演っても緊張する。ライブがある日は、ベースに触ってないと落ち着かないんだ。オレ、こう見えてナイーブだから」 ナイーブかどうかは兎も角案の定だ。 「おーい、マーク! 午後から取材があるって聞いてるだろー?」 客席側から大声を…

No.3-001 Believe In

来日中の僕等はコンサートだけじゃなく、精力的にプロモーション[宣伝活動]も行っていた。 多数のカメラのフラッシュを浴びてると僕等は何しに来たんだろうって辟易するけど、仕方ないよね。 The Starlight Nightの音楽をたくさんの人々に知ってもらうため…