1980s 洋楽★創作物語

1980年代ロンドンが舞台のバンドデビュー物語。UK中心の80s 楽曲 (YouTubeリスト参照) が登場! 20年振りに描くイラストも80年代風・・・( ˘ω˘ )

a-ha THE MOVIE

a-ha の映画を観てきました!

80年代中半にノルウェーからやってきた

3人組バンドのドキュメンタリーです

 

a-ha の名前は知らなくても

『Take on Me』のリフを聴けば

「知ってる!」ってなる方も多いかと

 

デビュー当初は「アイドル」

その後は「一発屋」扱いで

ファンとしては悔しい思いもしたけれど

苦節37年(ヒットしたのは1985年)

映画の評判も上々で

日本でも評価されて嬉しい限り♩

 

映画の内容は、バンドあるある

アイドル扱いへの反発

でも売れなきゃならない、ジレンマ

メンバー間のパワーバランス

個々の拘り、すれ違い、疲弊……

 

休業期間(ソロ期)あります

一度、解散もしました

 

なのに気付けば

また3人で演っている

文句、言いながら(笑)

 

そこには、メンバーの人柄の良さと

音楽に対する真摯な姿勢から

不快な印象は、全然ないんです

(むしろ、ちょっと微笑ましい)

 

ファンになった切っ掛けは

もちろん彼等のグッドルッキングと

キャッチーな曲、

それに何といっても

実写とアニメを融合させた

インパクト大のミュージックビデオ!

 

アイドル路線を外れても

意外にも骨太なロックや

北欧の澄んだ大気を感じさせる

幅広い楽曲&声の美しさと

インタビューやエピソードから垣間見れる

メンバーへの親近感で

すっかりファンになりました!

 

とはいえ、37年間

ガッツリ張り付いてたわけでなく

解散も暫くは気付かなかったくらい……

活動再開も当初は2年限定って

聞いた気もするけど、何年でも大歓迎!!

 

彼等も分かってるんですよね

この3人じゃないと

創造できない世界があると――

 

でも今年で3人とも、還暦超えなんです

どうか心身ともに無理せず

(ソロ活でストレス発散しつつ)

末永い3人での活躍を願っております

もちろんコロナで中止になってしまった

来日公演の実現もね!

 

 

ここで紹介するのは

『Take on Me』ではなく

『Summer Moved On』(2000年)

 

ハイトーンの連続に、驚異のロングトーン

こんなの、歌いこなせるのは

モートンだけだし

そういう信頼がなければ

生み出せない

きっと、そんな曲

 

その他のアーティストも登場!

No.2-006 Mixd Feelings

まだ片付いていない家の中で
段ボールの山に埋もれているヤスを見て
一瞬、唾を飲み込んだ。

ヤスはすっかり
変わっていたんだ。

ルックスではなく、もちろん背も伸びて
凄く成長していたんだけど
何ていうか、雰囲気が……

僕は戸惑いを隠すように
笑顔を作った。

「Hi、ヤス! 見違えちゃったね。帰ってきてくれて嬉しいよ」

「僕、ジェムの弟でフレッド。よろしくね?」
フレッドも笑顔で、手を差し伸べた。

ところが、あいつの返事は
どうだったと思う?

段ボール箱を両手に抱え
上目遣いに、僕等をチラッと見て一言。

「邪魔、どいて」

そりゃ、引っ越して来たばかりで
邪魔なのは確かだけど
いきなり、この言い草は酷くない?

「おい、ヤス⁉︎」

僕は一歩、彼の前に進むと
彼は僕を無視して
階段を上がって行ってしまった。

その様子を、遠巻きに見ていたユミコは
〝期待を裏切られた〟
といった表情で溜め息を吐き
僕等に謝ってきた。

「取り敢えず帰ろう?」
とフレッドが
困惑している僕の腕を掴んだ。

それから後
僕の機嫌が悪かったのは
言うまでもない。

僕一人、はしゃいじゃって
バカみたいじゃないか!
凄くがっかりしたよ……

フレッドが僕の好物のトライフル
作って、慰めてくれたっけ。

※グラスの中にスポンジケーキやクリーム、フルーツなどを重ねたイギリスのデザート

 

次の日、ユミコが
昨日のお詫びと挨拶を兼ねて
日本のお菓子を持って、やって来た。

始めから読む(No.2-001)

 

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No.2-005 Mixd Feelings

今年はOレベル[一般教育終了試験]も
控えているので
かつてないほど勉強の日々に
うんざり気味だけどね。

フレッドは、そんな僕に気付くと
アコースティックギターを2本抱えて
スターライト・ルームに
引っ張り出してくれるんだ。

春とはいえ、まだ寒さが残るなか
白い息を吐きながら、ダッドの形見の
Martin D-28 を弾くフレッドは
懐かしいダッドの姿を彷彿とさせた。
(ダッドより、まだミニサイズだけどね)

2人でのセッションは楽しくて
精神こころが満たされるのを感じた。

そんな時だった。
隣の家に、ヤスが帰ってくると
聞いたのは。
もう嬉しくて、毎日のように
ヤスの話をしたよ。

フレッドにしてみれば
ヤスが来るまでは、煩くて
しょうがなかったんじゃないかな?
(それでも話をウンウン聞いてくれる
最高の弟なんだ!)

そのぐらい期待に胸を膨らませて
ヤスが来るのを待っていた。
そしてつくづく、あの不良少年のままで
いなくて良かったと、
家に帰っていて良かったと思った。

6年振りの再会で
僕があのままだったら
ヤスはショックを受けるだろうからね。

ところが

地味にショックを受けたのは
僕の方だった。

◇ ◇ ◇

ヤスが戻って来た、あの日。

学校から帰宅して、家に入ろうとしたら
隣の玄関から出てきたユミコに
バッタリ遭遇!

「ジェームス君よね⁉︎ 大きくなって!」

ユミコは嬉しそうに声をかけてくれて
たまたまポーチにいたフレッドも一緒に
半ば強引に、家に招き入れた。

始めから読む(No.2-001)

 

 現在の義務教育終了試験は CSE と O lavel を統合して、 GCSE となったとか。まあ日本も大学受験が、共通一次センター試験→共通テストって変わってるので、その呼び方で世代が分かっちゃいますね (^^ゞ

No.2-004 Mixd Feelings

pick out: Take Five

初めて入った、おじさんの書斎には
かなりの数の本とレコードがあって
まるで、宝物部屋のようだった。

ピカピカに磨かれたサックスで
ジャズを奏でる、おじさんが格好良くて
興奮した僕は『星に願いを』を
一緒に演奏してもらったんだ。

ダッド以外の人や、ギター以外の
楽器とセッションしたのは
これが初めてだったから
もの凄く嬉しかったよ!

おじさんは、僕のギターの腕を
とても誉めてくれたしね。

そしたらヤスが
自分も仲間に入るんだって、
おじさんのサックスや
僕のギターを寄越せと
顔を真っ赤にして大泣き!

まだ、ちびっ子のヤスには
楽器を抱えるのがやっとだから
おじさんも、なだめるのが
大変そうだったよ。

そんな2人の様子に
ダッドとフレッドを想い出して
ちょっぴり羨ましくなったっけ……

 

そして月日が流れ
ヤスは小学校に入学するため
日本へ帰ることになった。

「ぼく、ジェムのこと忘れないよ。いつかまた帰ってくるから、ぼくのこと忘れないで」

別れ際にヤスは
目に涙をいっぱい溜めて
イギリスを発って行った。

◇ ◇ ◇

それから6年、僕は16歳になった。
フレッドが来てからは生活も
すっかり落ち着いた。

勉強の遅れを取り戻すのに
ホームスクーリング[家庭学習]を経て
ちゃんと学校にも、通うようになった。

始めから読む(No.2-001)

 

 60年代はRock、50年代はJazzの全盛期。ヤス父母は「古き良きアメリカ」に憧れた世代ですよね。ジャズも様々な名曲があるけど、ジェムが目にしたヤス父の演奏曲は『Take Five』(1959) がいいかな。この変則リズムに、カッコイイ!って釘付けになりそう(´∀`)
Music Video
Dave Brubeck - Take Five
 

 

その他のアーティストも登場!

No.2-003 Mixd Feelings

その頃のヤスは、とても大人しくて
彼の母、ユミコのスカートの影から
おずおずと挨拶したのを覚えているよ。

大きな黒目で、たどたどしく
英語を話すヤスが可愛くて
弟のフレッドを思い出させたっけ……

ヤスは僕が学校から帰るのを
心待ちにしていたから
ヤスの家に行くと、ユミコがいつも
温かく迎えてくれたんだ。

ユミコは在宅で
翻訳の仕事をしていて、
たまに通訳の依頼で家を開ける時は
ヤスを僕の家に預けることもあった。

Mrs.ジョーンズも、メアリーも
ヤスをとても可愛がっていたよ。

ヤスも、Mrs.ジョーンズの焼くスコーンと
メアリーが読んでくれる絵本を
とても気に入ってたみたいだ。
(ちょっとヤキモチ焼いた僕が泣かせたことは、忘れてるといいけど!)

ヤスのお父さんは
アメリカの大学を出て
大手メディアに所属。
世界中を駆け回っていたそうで
滅多に家にいることは無かった。

ヤスのお父さんの記憶は
僕にはもう、ほとんど無い。
ただ一つ、鮮明に覚えているのは――

◇ ◇ ◇

僕が8歳で、ヤスが5歳の頃。
いつものようにヤスの家に行くと
珍しく家に居たおじさんが
サックスを吹いていた。

ヤスがサックスを吹くのは
もちろん、父親の影響だ。

始めから読む(No.2-001)

 

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No.2-002 Mixd Feelings

とにかく日本は
とってもエキサイティングな国だよ!

僕はマークが怪しい物を買いたがるのを
スタッフ達と、必死で止めながら
街を見て回った。

そして、13時を過ぎてランチへ。

「スシはもう食ったし、何か珍しいもん食いてえ」

と言うマークのために
日本のスタッフが
連れて行ってくれたお店は――

えっと、しょっぱいスープの中に
ヌードルが入っている……
そう、ラーメン店だ!

「ヤスの奴、今頃どこにいるんだろうな? あっ、オレは肉がたっぷり入った、ワイルドなヤツで!」

マークはメニューを見るのが
面倒臭いらしい。

「お祖父さんに会うことは無さそうだから、同級生にでも会ってるんじゃない? 僕はヘルシーなのがいいな……野菜たっぷりなタンメンがお勧め!? じゃあ、それ下さい」

「えっ、ヤスって東京出身なんだ⁉︎」

「知らなかった?」

僕はラーメンを待つ間
ヤスと初めて会った時の話を始めた。

 

 

★      ★      ★

 

 

ヤスの本名は岡部恭章。
出身は、日本の東京都。

彼が4歳の時、両親の仕事の都合で
家の隣に越して来た。

隣は長年、空き家だったけど
アジア人が購入したと聞いた時は
正直、あまりいい感じはしなかった。

でも挨拶に来た岡部家の人達は
とても礼儀正しくて
英語もアメリカのアクセントだったけど
ネイティブ並みだったので
最初の心配は、直ぐに吹き飛んだ。

始めから読む(No.2-001)

 

 この頃のラーメンは、いわゆる町中華のメニューの一つ。家系とかブランド化したのは90年代からじゃないかな? 日本食と言えば寿司に天麩羅だったけど、今ではB級グルメもすっかり浸透しましたね (*´༥`*)モグモグ

No.2-001 Mixd Feelings

pick out: Paul Young

日本に来て3日目。
今日は一日中オフなんだ、やったね!

東京でのオフは
これが最初で最後だから
既に皆んなロビーに集まり
やれ六本木だ、原宿だと騒いでいた。

各々マップを手に取って
土地っ子のヤスに、色々聞いている。
そうはいってもヤスも

「俺だって分かんないよ。原宿なんか興味無いし」ってことで、
日本のスタッフ達から聞いた話を
翻訳してくれたんだ。

それで、二手に分かれることに決定!

僕とマークは、原宿や渋谷の見学コース。
今は円高なので、お金は待望の京都まで
とっておこう組。

フレッドとトニィは
秋葉原や新宿での買い物コース。
いいねぇ、金持ち組は。

そしてヤスは――

「俺は、ちょっと用事あるから」
と単独行動すると言い出して
皆んなブーブー文句を垂れた。

「えーっ、ズルいなぁ〜。僕達の知らない場所で、一人だけ楽しむんだ⁉︎

「違うな、日本のGFとデートだろ?」

「おいおい、紹介しろよ⁉︎」

「いねーよ、んなもん! 今日はフリーだろ⁉︎」
3人のツッコミに、口を尖らせるヤス。
(ちゃんと彼にも、日本人のSPが付くんだけどね)

「まあまあ、行かせてやれよ。ヤスの母国なんだからさ」

僕はヤスの肩をポンッと叩いた。

「門限は7時ジャスト。遅れるなよ!?

ヤスは小さく頷き、僕等はそれぞれ
ホテルを後にした。

あらすじ & メンバー紹介

 

 ヤスは「犯人はヤス」の前からヤスです! だって本田恭章さんから、お名前を拝借したんだもの。でも特にファンというわけではなく(スミマセン・・・)メンバーに「日本人を入れたい」と思い、参考にしようとペラペラめくっていた洋楽アイドル誌に載っていた、唯一の日本人が本田さんでした。
 髪型やファッション(シャツは変な模様じゃないw)は、黒髪のポール・ヤングさんを真似したのを覚えてます。ホント最初は、適当なキャラ達だったんです (^^ゞ
 ちなみに、当時の秋葉原は電気街でした。萌え萌えな街だったら、マークは絶対そっちに行ってたかと……

 

Music Video
Paul Young - Everytime You Go Away
 
▼聴き比べてみる!?▼
Music Video
Daryl Hall & John Oates - Everytime You Go Away

 

 

その他のアーティストも登場!

1章はコチラ

ダンディーが歌うとき

物語に入れられなかった
アーティスト・楽曲シリーズ〔第3弾〕

 

前回、1980年代は

美しい男性が多かった・・・云々

と書いて気付いたけど

ダンディーなアーティストも多かった!

 

ダンディーと聞いて思い浮かぶのは

デビッド・ボウイ

ブライアン・フェリー?

ロバート・パーマーも捨て難いけど

ここでは、80年代以前から活躍する

大御所の方々は省かせていただき――

 

そこで思い浮かぶのは

80年代らしい

スーツ姿がスタイリッシュな

ABC のマーティン・フライ

曲は1982年にリリースされた

『The Look Of Love』が有名ですが

ファースト・アルバムのせいか

MVは、ちょっとキュートな印象

 

その5年後にリリースされた

『When Smokey Sings』なら

歳を重ねて渋メンに? と思いきや

明るく楽しそうに踊ってる

あれ? 笑

 

でも

笑顔でダンディが歌うとき

その破壊力は最強です!(かわいい♡)

 

Music Video
ABC - When Smokey Sings

 

その他のアーティストも登場!